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近衛予備隊-232 [高校生バトル-66]

 三つの王国、その創造された歴史と風景写真などはデータベース化されているが、それを利用出来るのは会社が許可した作家やクリエイターのみ、その作品群には公式マークが付けられる。
 勝手に我々の王国を舞台にした作品を書いても著作権的に問題がなければスルーされるが、公式マークを付けたら法的にアウトだ。
 俺とシャルロットの結婚に合わせて発売された本は、あくまでも俺とシャルロットをモデルに書いた創作だとして発売されたがかなり売れている。
 俺達の写真を使っているのでシャルロットが着ていた服が売れ、作中、俺がシャルロットにプロポーズしたとされる場所などが、所謂聖地となり観光客が訪問。
 作者が抱え切れないほどの花束と表現したおかげで花屋の売り上げが上り、一緒に食べたとされるクレープ屋には行列が出来ることになった。
 良い感じのカップルが大勢来るようになり、ホテルはどこも満室状態が続いている。
 建国前のアビュニス王国も舞台となり、そこでは二人の関係を壊しかねない出来事が起こるのだが、その辺りの店も売り上げを伸ばしているそうだ。
 俺達がそこへ行ったと言うだけの事実に対して、話はとんでもなく膨らんでいる…。

「ジョン、一冊の本が大きな経済効果を持つとは思って無かったよね。」
「そこはシャルロットの写真を入れたからだよ、作中の写真ページで着ていた服がバカ売れだからな。」
「かなり事実とは異なるお話だったけど、気持ちの部分は上手く表現してくれてたのかな、でも、ルーシーの三枚目で有りながらもジョンに対する一途な気持ちまで書かれてしまったわね。
 ねえ、側室を持つのは、私に第一子が誕生した頃で良い?」
「世の女性は男が浮気すると心中穏やかざる状態になると、あの本にも書かれていたが良いのか?」
「ルーシーならね、他の人はダメよ。」
「う~ん、本の続編でも俺達が仲の良いままにして欲しいね。」
「現実の私達が仲良しのままなら、その通りに書かざるを得ないでしょ。
 妻が二人いても法的な問題は無いのだから…、でも人々の反応には興味が有るのよね。
 世界的に見ても一夫多妻は少数派でしょ、ルーシーがジョンの側室にならなかったら、ルーシーと結婚出来たかも知れない男性が居る、なんて言われたりして。」
「一夫多妻は兎も角、大家族を見直して欲しいと詩織さまは話してたね、伯父叔母従兄とかが一緒に暮らす大家族には良い所も悪い所も有るのだけど。」
「作者は本の執筆に関してルーシーに感謝してたでしょ、続編では私が感謝される立場になるのも有りかな。」
「俺は構わないよ、君に隠し事は無いからな。」
「そうね、ルーシーに対する微妙な気持ちも教えられてるから…、ねえ、ジョンだけがすっきりしていて私とルーシーがもやもやしてるなんてずるくない?」
「えっ、そう言われても…。」
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