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近衛予備隊-231 [高校生バトル-66]

 今、絵本から純文学、ライトノベル、漫画やアニメ、YouTubeチャンネルのミュージカルなどに関わる人達で大変な作業が行われている。
 大変なのはアビュニス王国を始め遠江王国や俺達の王国に於ける様々な歴史設定を統一した作品群を構築して行こうと目論んでいるからだ。
 俺はあまり詳しくないのだが、ゲームの発達により作られた世界観が有るそうで、例えばヨーロッパの神話を起源に持つエルフは様々な作品に登場しているとルーシーが教えてくれた。
 架空の世界と我々の王国とをリンク出来たら楽しいに決まっているからと彼らが調整しているのは、文章だけの作品でも我が国の王宮と有れば、その姿は写真などで確認出来る、それと同様に空想から生み出された過去の風景も多くの作品で共有出来れば面白くなるだろう。
 著作権の問題も有り簡単な作業ではないが、一流のクリエイターも参加してくれていることで、作業に関わる人達の想像力と創造力の熱量には凄まじいものが有り、自分が口を挟む余地は全くないのだが…。

「今度はジョンとシャルロットの家系図を作りたいと言って来たのだけどどう?」
「家系図?」
「そう、ジョンの祖先を英雄にする為にね。」
「ルーシー、全部嘘で良いのか?」
「ひい婆様辺りまでは辿れると思うけど、そこも創作で構わないのよ、創作だと公表しておけばね。
 変に嘘をつくと人のあら捜しをして騒ぐ連中を喜ばせることになるけど、初めから創作だと言っておけば問題無いでしょ。
 作り話を公開して行くことでジョンは空想の世界でも王子さまとしての確固たる支持を受けることになるのよ、そしてそれは現実社会にもリンクされて行く。
 ジョンがお話しの中の登場人物として活躍すると、ジョンに対する尊敬の度合は現実社会でも高くなるって思わない?」
「それは…、確かに有るかもな、俺をモデルとした登場人物にジョンと名付けて活躍させると…。
 その設定が俺とかけ離れていたら面倒なことにならないか。」
「そこは、現実に合わせるわよ、ジョン王子に関しては私が担当ですからね。」
「う~ん、ルーシーの都合に合わせられていないか不安なのだけど。」
「ジョンが無理しなくて良い様に、ジョン王子には冷酷な一面も有ると伝えておいたわ。」
「冷酷か、その言葉をどう解釈して話を広げられてしまうのか心配なのだが…。」
「ジョンは、もう色々な意味で虚像になっているのだから、そこに冷酷が加わっても大差ないわよ。
 冷酷と言ってもその参考例としては、くまさんアイスに対してスプーンを目に突き刺して食べ始めたとか、事実しか話して無いのだから。」
「なあ、あれはどこから食べるのが正解とか有るのか?
 ルーシーだって顔をぐちゃぐちゃにしてただろ。」
「そんなことはどうだって良いのよ、ジョンに関する情報が頻繁に流れる状態を維持することが出来たら、色々と収入に繋がるのでしょ。
 でも事実を紹介してるだけではネタが尽きる、そこをジョン王子の設定として公開して行くのよ。
 ジョンの知名度を利用してグッズ販売などを強化して行かないとシェリルに負けてしまうでしょ。」
「はは、既に負けてるかもな。」
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