SSブログ

近衛予備隊-229 [高校生バトル-65]

「彼女はどんな産業を考えているのです?」
「IT産業、それとお金持ちを対象とした別荘でも稼ぎたいとね。
 ITに関しては教育の充実からになるのだけど、学生は自国だけを対象としないで周辺諸国からも優秀な人材が集まる様な環境整備を目指しているの。
 人材の欲しい遠江王家からの助言と助力を得てね。
 別荘はここをお手本としての展開だけど、有名人が有名で有るが故に苦労してる現状を解決出来たらと。」
「ここでも著名人向けの別荘は好評ですが。」
「そこをもう少し踏み込むのよ、一般人の入れないエリア、特にパパラッチが入り込めない環境を整えてね。
 ここでも著名人のプライバシーを守る為に制限しているけど、更に踏み込みリラックスして貰える環境を整えられたら、ビバリーヒルズ以上の街を作られるのではないかと彼女は考えているのよ。
 ホテル業で培って来たノウハウを活かせば可能だと。
 需要は有るし、彼女は映画の撮影環境を整えると言ったことも考えていてね、まずはうちのYouTubeチャンネルで続けてるミュージカル、その新シリーズはアビュニス王国とここを舞台にと。」
「詩織が統治する二つの王国となると詩織の出番が多くなりそうですが大丈夫なのですか?」
「私が出る必要はないでしょ、でも久しぶりに出演して二曲ぐらい歌ってみようかと思うのよ。」
「それは楽しみです。」
「ここの庭に良くやって来る小鳥がね、私が歌うと負けじと美声でさえずるのよ。
 その光景をミュージカルに入れたくてね。
 今までスタッフにこっそり撮影して貰って来たのから選んでも良いし、これから撮影するのを採用して貰うのも有り、ミュージカルでボツになった映像は編集して別で流しても良いわね。」
「早く見たいです、DVDにすれば百万ドルぐらい軽く稼げます。
 ミュージカルのキャストは日本からですか?」
「ええ、雅を主役にして日本から五人ぐらい、後は近衛や近衛予備隊に出て貰い今までのシリーズとは雰囲気を変える方向で話が進んでるの。
 ついでにシェリル達がでっち上げた神話を題材にして一本撮る話もね。」
「ここにも神話みたいなのは有るのですが、口伝えだったから微妙で…。」
「微妙?」
「口伝えって伝えた人の都合で変わってしまうと思いませんか?」
「似た様な話が形を変えて伝わってるとか?」
「ええ、一度調べたことが有るのですが同じ様な話が部落毎で違った話になっていて、ここの神話として発表しにくいのです。
 ここは歴史的な文化に乏しくて、少しだけでも掘り起こしたかったのですが…。」
「シェリルに倣って、その要素を取り入れつつ、新しい神話を作った方が早そうね。
 そこに教育的要素を盛り込んでみる?
 歴史や文化なんて作るものなのよ。
 日本の歴史でも怪しい所が幾つも有ってね、現代人でその現場を目撃した人は一人もいないでしょ。
 誰かの主観で書かれた文が残っていれば、それを頼りに史実としてまとめられているのだけど、文を書いた人が正しいことを書いたとは誰も実証出来ないのよ。
 名の残る人が空想で書いたお話を、学校で歴史として教えてる可能性だって否定出来ないのだから、新しい神話や作られた歴史小説を通して教育しても問題無いと思うわ。」
「残されているものから推測して成り立っているのが歴史だと学習した記憶は有ります。
 う~ん…、文化だって我々がその発信者になっても良いのですよね?」
「もちろんよ、ジョン達が着ている隊服が日本で売れてるって知ってるでしょ?」
「それはデザイナーが良かったからです。」
「それも有るけど、ジョン達が着ているからなのよ、機能的なだけでなく恰好良い、まあ、ジョン程恰好良く着こなせてる人は少ないと思うけどね。」
nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 13

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。