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近衛予備隊-226 [高校生バトル-65]

 近衛予備隊第四部隊第一期生達との熱くて濃い一日を過ごした後は、彼らがより動き易くなる様に大人達と交渉、廃業予定だったホテルを彼らの活動拠点として用意することが出来た。

「ジョンはシェリルにぞっこんなのね。」
「はは、ルーシーだって予備隊に入隊した時は教官達に良くして貰っただろ。」
「それにしても…。」
「彼らはホテル経営実習を通して本気で稼ぐつもりだからな。
 如何に客を満足させられるか、と言う命題に対して、昔ながらの接客と新しい提案、それを親たちがここで営んで来たホテル経営のノウハウを学びながらと言う姿勢なんだぞ。」
「確かに熱量が違ったわね。
 今まであまり考えて無かったけど、集団ってそれを引っ張るリーダー一人の力で凄く違ったものになるのだと感じたわ。
 ジョンがリーダーになって無かったら第三部隊はここまで活躍出来なかったと思うし、第一部隊や第二部隊だってそれなりに頑張っているのだろうけど、第四部隊とは根本的に違うでしょ。
 シェリルは王家のプリンセス候補になると感じているのだけど、ジョンはどう?」
「彼女は人を説得する話術に長けているが、それは彼女がそのことに対して心の底から偽りなく思っているからだと思う、彼女なりの危機感から出たことと言えば良いのかな。
 でも、先々のことは分からない、時には自分の想いを押し殺してでも人を説得しなくてはならない状況に置かれるかも知れないだろ。」
「ジョンは、そんな判断をして来たの?」
「俺は恵まれてたから重い判断をすることはそんなになかった、でもこの先は分からない、社長と言うのは単なる肩書ではないからな。
 自分は自分なりに覚悟した上で、王子となり社長となる決心をしたんだ。
 勿論シェリルがプリンセスの道を歩むのなら全力で応援するが…、プリンセス云々を考えるのはもう少し彼女のことを知ってからだな。」
「焦る必要はないものね。
 それでホテル経営実習はどんな感じになるの?」
「廃業予定だったホテルをリニューアルし営業を続けるが、新人ホテル従業員の基礎訓練の場ともする、ホテル業界全体のレベルアップを目標にね。
 経営は近衛予備隊第四部隊一期生が学習と並行して行うが、客に対してもそう言うホテルだと理解して貰う作戦を練ってるよ。」
「やはりこの国の再生はホテルを中心とした観光がメインになるのね。」
「ああ、俺達が訪問しただけでイベント目当ての観光客がぐっと増えたと喜ばれている。
 第四部隊の教育と並行して観光資源を見直しその立て直しから始めたいところだな。」
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