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近衛予備隊-222 [高校生バトル-65]

 シャルロットは可能性として十歳の子が会社の入社試験にと話を出したが、子どもに対しては近衛予備隊第四部隊メンバーを募集する所から始まっていた。
 第四部隊は英語と算数のペーパーテスト、それと面接を行い、十四歳から十七歳まで百名程の応募者から一期生として二十名を合格とした。
 ただ、今回不合格になった子の殆どは二期生として合格している。
 変則的になったのは、新規の立ち上げなので、まずリーダーの育成を優先する必要が有ったからだ。
 一期生が二期生の指導を手助けする前提でことを進めているのだが、それは後の組織編成を考えてのこと、教官を多く用意するのは効率的ではない。
 そんな近衛予備隊第四部隊の結成式に立ち会った後、その二十名の一期生達と昼食を共にしながら歓談、始めの内緊張していた彼らもルーシーのトークに気を緩ませ…。

「ホント一期生に合格出来て良かったです、ジョン王子と一緒に食事出来て嬉しいです。」
「王子、自分をこんな食い意地だけの女と一緒にしないで下さいね、自分は国の為に働きたいと志願したのですから。」
「頼もしいね、それで君たちが一期生として合格出来たポイントはどこに有ったと思ってる?」
「今日までにこの二十名で話す機会が何度か有ったのですが、やはり社会主義的企業国家構想や企業による実験的ベーシックインカム制度についての理解度が高かったからだと思っています。」
「そこの食い意地だけの子も?」
「食い意地だけではないです~、そこの図体ばかりでかくなった男にベーシックインカム制度の概要を教えたのは私なのです。
 どうして我が国で実験的にスタートさせるべきなのかを説明しても、社会的弱者に対する理解度が低くて苦労したのですよ。」
「そ、それは随分前のことだろ、自力では生きて行けない人も共に生きて行ける世界で有るべきだと理解してるぞ。」
「それは予備隊試験に向けて学習した結果なのかな?」
「いえ、詩織さまを女王として迎えたいと言う話が出てから、どんな王国にして行くのか親達が話し合ってる中で、近衛隊の方から持ち掛けられたのが優しい王国、その事業計画案の中にベーシックインカムのことも有りまして。
 大人達も始めの内は限られた範囲でしか社会貢献出来ない人達に対してお金を出す制度には躊躇していたのですが、システム的にも悪くない制度だと理解してくれました。」
「今日までに話した大人達は企業による実験的ベーシックインカム制度に対して随分前向きだと感じたのだけど。」
「こいつが口八丁で言いくるめたのですよ。
 まあ、自分も言いくるめられた内の一人なのですが…。」
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