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近衛予備隊-221 [高校生バトル-65]

 ここの人達と話してると、我らが女王さまに対する信仰心のようなものを感じさせてくれる。
 敬愛し絶対的な信頼、女王さまとして統治してくれることに感謝しているそうだ。
 なりたてのプリンスで有る俺をも手厚くもてなしてくれ、新米王子としては気恥ずかしい思いをする場面も有ったが、自分達が舞台に立ったイベントの盛り上がりからも、同じ女王の下、共に歩んでいけると確信出来た。

「ジョン、社会主義的企業国家構想も企業による実験的ベーシックインカム制度も、リーダークラスの人を中心に、随分学び、話し合われて来たみたいね。」
「感覚的には働かざる者食うべからずなのだろうが、働けない事情の有る人もいるからな。
 それを受け入れ易かったのは、光熱費などを差し引かれてプリペイドカードに入金される働かなくても得られる給料を彼らが使えばそのまま会社の売り上げになるし、貯められる上限を超えての支給はなく無駄が少ないからだと思うね。」
「システムに縛られるのが嫌な人は社員にならなくても良いが社員としてのサービスは受けらない。
 その辺りで迷う人は人口の数%に過ぎないのね。」
「能力が有り稼ぎの多い人は社員になっても幹部となり収入は変わらないだろ。」
「問題はホテルのオーナーとかかな、本人の能力が低くても優秀な社員のお蔭で高収入を得られていたオーナーの扱いが一番難しそうね。
 社会主義的と言っても力の有る人は昇進し昇給するのだから。」
「かもな、どこかで妥協しないと友達を無くす、社会主義的企業国家が嫌で海外へ移住出来る人は、その必要資金を考えたら少ないだろう。」
「社員の立場になれば最低保証はされても、持ってる財産を食い潰す形でしか贅沢は出来ないのよね。
 でも、食い潰す程の贅沢をしなければ良いのよね。」
「自分がオーナーで有り続けるよりホテルを売り渡せば、それなりの一時収入になる。
 新しい制度でも、それを否定している訳ではないのだから、落ち着くとこに落ち着くのかもな。」
「これから問題点を一つ一つ解決して行くことになるのね。
 揉めたりして子どもが惨めな気持ちにならなければ良いのだけど。
 ねえ、社員には何歳からなれるの?」
「試験に合格するか十五歳程度、親の手を離れたらとか、まだ検討中だと聞いた。
 十五歳ぐらいまでは教育を受けることが前提だそうだ。」
「試験に受かれば十歳でも社員に?」
「ああ、教育期間中は親に扶養手当が支給されるが、社員になればそれが無くなり自立出来る。
 金額は能力次第だから、自分で働いて欲しいおもちゃを買うのも有りなのさ。
 子どもの場合、扶養されてる間は自分のプリペイドカードに入るのは親からの入金のみ。
 社員になって親と同居してる間は、自分の給料から親のプリペイドカードに家賃や食費を入金、それを通して社会経済を学んで行く形を考えているそうだよ。」
「それだけの労働をしないとだめなの?」
「お遊びではないからな、但し会社は社員教育を通してのフォローをして行く。
 試験に受かると言うことは、会社に貢献出来るだけの能力を認められたことになるが、十歳の子が試験に合格することは可能でも、社員になるかどうかは別問題だよ。
 それでも近衛予備隊には入隊出来るから、学びながら自分のお小遣いを稼げるシステムにはしたいと思うね。」
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