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近衛予備隊-216 [高校生バトル-64]

「電力供給が安定しないと国の経済が伸びないものね。」
「はい、日本では片田舎の集落から離れた一軒家でもめったに停電しないと聞きました。
 停電が無ければ冷蔵庫などの家電品が売れるし冷凍食品の販売を進めることが出来ます。」
「そうね、それを見越して投資額を増やそうか?」
「お願いしたいです、ただ、色々と読み切れていなくて。
 電力消費量の大き過ぎる工場は誘致しない様に指示していますが、マーケット関連で電力需要が伸びているのです。」
「それなりに工場を建てて来たものね、国営の電力会社から送電エリアを買い取る形で広げて来たけど、もう少し速度を上げ、工場が停電で止まることの無い環境にしないと…。
 会社の電力関連部門を独立させ、その社長に王子がなるってどう?」
「何かメリットが有るのですか?」
「ジョンが社長なら株主になっても良いって人、多いと思うの、新株を発行して資金を集めれば発電と送電網の拡充を早められるでしょ。
 国営の電力会社は縮小して行く話になっていて競争相手のいない企業、発電コストの変動を抑えることにさえ成功すれば安定企業になる、安定企業の存在って大きいのよ。
 特に電力は国の根幹に関わる事業ですからね。」
「国営の電力会社そのものは経営が安定していても能力に問題が有ります。
 停電を無くすために発足させた我が社の電力部門は今の所小規模水力発電とバイオマス発電で上手く行っていますが、この先共和国全体の電力供給を賄うと考えたらどうなのでしょう?」
「石炭や石油の輸入量は減らしたいから、例え効率が悪くても化石燃料を使わない発電所を数で何とかしたいのよね。
 国営の発電所は老朽化が進んでるのでしょ。」
「火力発電所はどれも効率が悪いだけでなく安全性に問題が有ると聞いていますし、原油価格が高騰したり、石炭の輸入が出来なくなったら長期間の停電と言う事態にも陥り兼ねません。
 電力部門を独立させ、新会社を設立するにしても、共和国中の電力供給を安定させるのに、どれだけの資金が必要になるのか想像出来ませんので一度概算を出して貰います。」
「そうね、その為の資金繰りは私も検討してみるわ。
 ジョンは新電力会社の社長になるつもりで動ける?」
「はい、停電の無い国を目指します。」
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