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近衛予備隊-210 [高校生バトル-63]

「近衛隊には自分以上のリーダー、幾らでもいると思うのですが。」
「かもね、でもトップリーダーには普通のリーダーとは違った役割が有るでしょ、彼らが我々の象徴になるのはちょっと違うかな。
 ジョンはルックスが良いだけでなく真面目な人柄が多くの人に知られているし、詩織さまと共に過ごす内に立ち居振る舞いが王侯貴族を思わせる様に、プリンセスの近くに居る者として気にしてたのでしょ?」
「はい、近衛予備隊に入隊した頃は猿並み、と言ったら猿に失礼なレベルでしたので。」
「ふふ、詩織さまはMy Fair Ladyの男の子版をイメージしてたのよ。」
「My Fair Lady?」
「古いミュージカルでね、私達はジョンが素敵に成長して行く様を楽しませて貰っていたのよ。」
「良く分かりませんが。」
「ジョンが王子になり国王と言うシンボルになっても違和感を感じないと思うの。
 女の子達は昔女の子だった人も含めて、ジョンが王子さまになることに憧れていてね。」
「はぁ。」
「素敵な王子さまになって自分を迎えに来てくれると言う妄想に浸ってる人もいるでしょう。」
「でしょうか…。」
「ジョンのグッズは王子になったら一段と売り上げが伸びるし、結婚したら、お伽噺に出て来る王子さまがお姫さまと結婚し末永く幸せに暮らしました、の世界を感じたいと更に伸びるのよ。
 そんなの、他の近衛隊メンバーでは無理でしょ。
 ジョンはジョンが思っている以上に特別な存在なの、自信を持って王子になってくれたら詩織さまも喜ばれるでしょうね。」
「しかし、リーダーとしての自分は…。」
「これからも様々なことを学んで行くつもりなのでしょ?」
「勿論です。」
「ジョンが今の心を忘れない限り、近衛隊は全力でジョンを支える。
 多くの人は忠誠を誓うでしょう。
 私達が描いている王国は国王の血を継いでいると言うだけで無能な後継者にでも従う、そんな昔の王国では無いの。
 真に尊敬出来る国王が血脈に関係なく受け継がれ、統治される王国。
 選挙で選ばれる訳では無いから、時には国民感情に関係なく先々のことを考えた政治が出来、例え独裁的になったとしても国民のことを第一に考える国王で有れば、それを単なる独裁政治と呼ばせないだけの裏付けを近衛隊は示して行く。
 勿論国王の独断で政治を進められる様にはしないわよ。」
「近衛隊が王家を色々な意味で守って行くと?」
「ええ、大きな武力からは守れないけど、平和を愛する国に攻め込んで来た国は国際社会から大きな制裁を受ける時代、武力で守ることが出来なくても大丈夫でしょ。」
「ですよね、今一度新しい王国の王家について考えてみることにします。」
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