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近衛予備隊-208 [高校生バトル-63]

 確かに村人達は村長の頼みを聞いてくれるが、それは俺の後ろにプリンセス詩織を感じているからだと思う。
 村の改革を行って来たのはプリンセス、村長と言っても俺はその部下に過ぎない。
 バックにプリンセスがいなかったら村長の仕事はとても大変だっただろう。
 そのプリンセスが小さくても国際的に独立国として認められた国の女王になる意味は大きい。
 村が王国になっても共和国の一部に過ぎず、お遊びだと言われても仕方ないが、ここに本物の女王が暮らす宮殿が有りその女王に統治されることになるのだ。
 遠江王国も王家のプリンセスが一国の女王になると盛り上がり始めてるそうだが、近衛隊の面々も企業のトップが国家元首になることの意味をよく話題にする。
 グローバル企業に国境はなく、その影響力は大きくなっているが、それでも企業活動を行っているそれぞれの国の法に従う。
 国は自国の経済を守る為に外交交渉をするが、だからと言って企業と充分な意思疎通が出来てるとは限らない。
 日本を旅行した時も、政府が景気を上げようとした政策によって企業が利益を伸ばしても、それで下請け企業をも潤そうとしないから、格差が広がったと言う話を聞いた。
 大企業の社長でさえ自社の利益しか考えられず人件費を抑える事しか考えてなかったとも。
 それを助長する様な、良く分からない総理大臣が変に人気が有ったそうだが。

 今まで無かった、企業のトップである国家元首が国を企業と見立て運営する国家が誕生する。

「小国とは言え企業のトップが女王の座に就き王国となる話は世界的な話題になってるみたいね。」
「シャルロット、国民の殆どを女王の会社の社員にするなんて普通じゃないだろ。」
「それはここと似た様なものでしょ、それより私はジョンを王位継承順位一位にする話の方が気になってるのだけど。」
「まだ先のことだから分からないよ、普通の王家なら生まれた順とかで分かり易いのだろうけど。」
「昔は王位を誰が継ぐかで、兄弟同士が争うことも有ったのよね。」
「今は立憲君主制が主流になったからか、そんな話は聞かないが、王位継承権の問題はプリンセス詩織が偉大過ぎるだけに、新しい王家にとって一番の問題になるかもな。」
「ジョンは他人事の様に話してるけど…、プリンセスはどう考えてるのかしら?」
「企業の社長を決めるのと同じ様にしたいと話していた。
 次期国王候補はグループ企業の社長など重要なポストに就くそうだ、そこでの実績などから取締役会で判断するのだとか。」
「その取締役会は王家の人達なのよね、義兄弟姉妹の契りを結んだ。
 ジョンもその一員になるの?」
「その方向だよ、その為の学習をして来たからな。
 プリンセス詩織が女王となり、そのバックを遠江王国王家が守る。
 血縁によって受け継がれて来た王家に対して、血縁以上の関係を誓い合い義兄弟姉妹の契りを結んだ遠江王国の王家、新たな王国ではその分家的存在を作って行くのだけど、俺は本家の一員として迎え入れて貰えそうなんだ。」
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