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近衛予備隊-206 [高校生バトル-63]

「そっか、慣れで気が緩むのは仕方ないかもね。
 取り敢えず店で働いてた人を工場や農場に配置転換して気分を変えてみることは考えたいけど…。
 共和国内の王国と言う二重構造になるのだから、人の役割も二重構造にしてみる?」
「役割ですか。」
「共和国の国民としてそれぞれの仕事をしながら、王国の民として別の肩書を持つってどう?
 労働時間を分けて二つの仕事を持っても良いし、一つは肩書だけにし服装で表現するとか。
 王国は共和国から切り離された存在として、その特殊性を楽しめる場所にして行きたいでしょ。」
「そうですね、肩書に関しては皆の希望を聞いてみたくは有ります。」
「あまり深く考えず、王国ごっこの一員として、なりたい職業で良いのよ。
 建国祭を機に考えて貰いましょう。」
「はい、仕事を二つ持つ話は、三つでも良いですよね?」
「ええ、村長が教師やパフォーマーを兼ねて来たのですから。
 これからは王国の王子が摂政で有りながら教師やパフォーマー、それと近衛予備隊の司令官をしていると言う体で行くのでしょ。」
「王さまの子どもでも無いのに王子なんて、色々突っ込まれそうです。」
「辞書を変えれば良いのよ、新しい王国では優秀な若者が王子として王家に属することも有る、とね。」
「はは、そこまでの道のりは長くて険しそうです。」
「でも、既に既存の王室がその有り方を問われる時代になってるでしょ。
 王家が批判されることも有るし、そもそも共和国では国王は不要、国政を預かる代表者が国王の役割も担ってる国だって有るのだから。
 私達の描く王国は小国を発展させる為の道具だけど、国家とその指導者について考える切っ掛けにしたいとも考えてるの。」
「大国が独裁者によって絶対王政の様になっては怖いです。
 遠江王国の様に平和で国民が心豊かに暮らせる王国、まずはこの地もそうしたいですね。」
「ええ、話を進めていた小国も会社が牛耳る王国になることで話がまとまりそうだから王子も頑張ってね。」
「向こうは小さくても他の国の一部ではない本物の独立国、女王陛下こそ御多忙となりそうです。」
「大丈夫よ、近衛の担当者は何時でも向こうの民に女王の言葉を伝えられる様、ネット回線の増強を進めてますからね。」
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