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近衛予備隊-202 [高校生バトル-63]

 新たな工事は重機の基礎訓練を行う人と試しに操作してみたいと言う人、それとその見学者で賑わっている。
 中古の重機に動物の絵を施したことも有り小さい子に人気だが、子どもに見られていることで安全面への配慮が求められ、訓練の場として効果的だとの声も。
 工事現場は人気アトラクションとなったが、指導担当のプロによるショベルカーの技を紹介した動画などはYouTubeチャンネルでも好評だ。
 重機にお金を掛けたので黒字とまではならないが予算の心配はかなり減った。
 だが…。

「ジョン、色々な意見が出て村のコンセプトが決まらないのよ、村長に判断して貰うしかないかも。」
「色々な意見が有るのなら、多様性をコンセプトにしたらどうだ、ルーシーは元々様々なハンディを持つ人達も人として尊重される村をイメージしていたのだろ。
 我が国は独特の文化と言っても対外的にアピール出来るものは少ない、ならば世界中から民族衣装を集めても良いと思うんだ、オリジナルも含めてね。」
「世界の民族衣装か…。」
「気候が違うから着られないのも有るだろうが、ここで自国の民族衣装に出会えたら観光客だって嬉しくならないか?」
「全部は無理でしょ、無くてがっかりしないかしら?」
「がっかりした人に教えて貰って作れば良いのさ、その過程でその人と親しく成れるかも知れない。
 元々衣装造りは新しい村で作業する予定だったからな。」
「世界中の文化が集められた村か…。」
「服装だけでなく食べ物だって、日本では世界中の料理を味わえただろ。」
「そうね衣装や食べ物を通して、海外からの観光客と繋がれたら楽しそうだわ。
 そうなると言語が問題か。」
「通訳を揃えるのは難しいから精度に問題は有っても翻訳アプリとかを使うしかないかな。
 ただ相手がその場に居るのであれば、言葉以外でも伝えられるし、英語が通じる人は少なくないだろうから何とかなると思うよ。」
「そうね、近隣の村から移り住んで貰う予定の人達には英語の学習をお願いしてある、実際に村で英語を使い始めたら、すぐに慣れてくれるでしょう。」
「村人候補は順調に集まってるのか?」
「ええ、身体的なハンディを抱えた人とそれを支えてくれる人、森の中の村ながらバリアフリーになる予定で、期待してる人が多いのよ。
 ハンディを抱えていても社員として自立出来るのだからね。」
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