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近衛予備隊-198 [高校生バトル-62]

「大統領は村を王国とした後、我々が国を牛耳ることまでは想定していないのでしょうか?」
「どうかしらね、汚職や治安の問題は大統領の力で随分改善されたけど、経済面は彼の力では何ともならないと分かっていたみたいで、こちらの申し出を受けてくれたし、動き易いように他国では考えられない法案を成立させてくれたのだけど…。
 ねえジョン、もしジョンが大統領になったら変えたいことってある?」
「もっと教育を充実させ民度を上げたいです、今は近衛隊の皆さんに頼り切って村の改革を進めていますが、やはり自分達の国のことですから自分達で。」
「教育は今の大統領も考えてることだから、彼の考えを引き継ぐと言う感じなの?」
「ですね、武力も行使しての大胆な治安の改善は自分には出来そうになかったことですが、人に恨まれる仕事は彼がしてくれました。」
「彼は大統領の世襲なんて全く考えてないから、私達が国の実権を握ることに抵抗はないのかもね。
 ただ、改善されたとは言え、治安を悪くしていた連中が一掃された訳ではないでしょ。」
「どの国にも一定数の悪人は居ますよね、その人達を健全な労働者にすることは出来ないのでしょうか?」
「難しいところだわ、普通に働くことが嫌でそんな道を選んだ人もいそうだから。
 でも、貧困が理由だった人達を対象とするなら更生に向けてのプロセスは作れるかもね、雇用の場をしっかり確保する必要は有るけど。」
「やはり輸出を伸ばさないと駄目ですよね。」
「ええ、関係企業に協力して貰って工場は増えつつ有るけど充分とは言えない、原材料輸送や電力の問題が有って簡単には拡大出来ないのよ。」
「詩織は小規模水力発電にこだわっていますが…。」
「小規模でも初期投資はそれなりに必要なのだけど、ランニングコストを考えたらね。
 山が有って川の水量は年間通して安定してるでしょ。」
「停電の頻発してる国向けに、もっと小規模な水力発電システムを輸出するとかはどうです?」
「そうね、色々計算してみる必要はあるけど需要が有るのなら供給を考えてみるべきかも、相談してみるわ、原子力発電なんてリスクを考えたらお勧め出来ないもの。」
「それでも経済的に考えたら導入したくなるものなのですね。」
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