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近衛予備隊-177 [高校生バトル-60]

「ジョン、村を小さな王国にするだけでなく国を王国にすると言う考えはどう思う?」
「そう言った展開は考えたこと無かったです、王さまはそこにメリットが有ると考えておられるのですか?」
「結局は人次第だけどね、裏切り者や私利私欲に走る者が王国の中枢にいたらメリットどころかデメリットが生じるだろう。
 だがそんな輩を王家に入れないシステムと世襲によらない王室を確立出来たらどうだろう。
 国の指導者を選挙で選ぶ民主主義では、人気だけが先行して実力の伴わない人物がリーダーになってもおかしくない。
 だが国王が、優秀な人物で構成される王家一族や家臣と共に政治を行えば、選挙ばかりに気を取られて本来の政治をおろそかにしている政治家とは全く違う、国民の為の政治が出来ると思わないか?」
「はい、民主主義の欠点について近衛隊のメンバーと話し合ったことが有りますので分かります。
 世襲についてはあまり考えたことが無かったのですが、国王と言えば普通、世襲ですよね?」
「子が親の跡を継ぐのは人間社会では極めて普通のこと、それが国王であろうとね。
 優秀な遺伝的資質が期待出来るだけでなく、親の作り出した環境を含めて引き継ぐことになり効率が良く、跡継ぎとして適切な教育を施し易いからな。
 ただ、時には親の思い通りにならない子もいるだろ。」
「能力的、人間的に問題の有る人が組織にとって重要なポストを、血縁だけを理由に受け継ぐと組織は一気に弱体化するかも知れません。」
「だよな、本人が自身の無能さを自覚していて、有能な部下に多くを任せることが出来れば、かえって良くなる場合も有るのだろうが。
 何にしても政治を世襲のリーダー任せにする体制はリスクが大き過ぎる。
 民主主義と言う観点も有ったのだろうが、各王国に立憲君主制が広がったのは自然な流れだったと思うよ。
 だが、その大前提になっていたのは王家の血筋だろ、私達はそれに拘らない新たな王政と言うものを考えていてね。」
「プリンセス詩織は王さまと全く血縁関係に無いと聞いています、プリンセス雅は血縁関係こそないものの養子として家族になられたそうですが。」
「だがそんなことには関係なく、二人とも王家の一員としてその役目をしっかりこなしてくれている。
 勿論、王家の一員と言う立場が無かったとしても、それなりの成果を上げるだけの実力が有ったからだが、肩書と言うのは時に有益なのだよ。
 始めての人に対して、人は肩書で判断することも有るし、人々の信頼によって得られた肩書の価値は高いものだろ。」
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