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近衛予備隊-174 [高校生バトル-60]

 俺としてはプログラマー養成スクールより総合学校の方が気楽だ、プログラマー養成はどう考えてもハードルが高過ぎる。
 その資質を持った人を総合学校に入って来た人の中から探してみたとしても難しいだろう。
 それに引き換え総合学校の発想は近衛予備隊の延長線上に有り、予備隊を拡大して行けば良い。
 先輩が後輩を指導する形を定着させたので教員の人数も抑え気味に出来る、そもそも学習に取り組む姿勢が出来ている子に必要以上の指導は必要ないのだ。
 そんなことを考えている時に出て来た王国の話は大統領からの提案、但し観光施設の名称を変える程度のことみたいで、俺はあまり興味が無かった。
 プリンセス詩織が、日本には王国を名乗るテーマパークや遊園地が幾つか有ると話し、大統領もそんな感覚なのだろうと話していたからだ。
 すでに村のことは広く知れ渡っていて、今更名称を変更してどれだけの効果を得られるかは疑問だが、それでも少しばかりの経済効果なら生み出せるかもと検討はして貰っていた。
 だが王家の人達は…。

「我が国が独立国としての承認を宣言すれば、国際的に認知して貰える可能性は有る。
 観光客は増やしたいのだろ。」
「はい、雇用の場はまだ必要ですので。」
「土地に余裕は有るのかな?」
「かなり余裕が有ります、管理されてない荒れた土地ばかりですが防災や衛生を考えたら人工林にすべきで、その一部だけでも観光に活かせるので有れば話しを進め易くなります。」
「植物の管理は難しいのかな?」
「住居や畑の周りは遠江大学の方々に助言を頂き、利用価値の無い植物を除去し利用可能な木や草と入れ替える作業に取り組んでいます。
 荒れ地をどんな林にして行くのかは今後の研究課題となりますが、バイオ燃料を視野に手の掛からない大規模農場にすることも検討して貰っています、ただ遠江王国の山林程では有りませんが傾斜地が多いので微妙です。」
「そうだな、傾斜地なら根のしっかりした植物を植えたい所だが…、平地より何かと作業効率が落ちるし…。」
「果物の栽培はどうかしら?」
「遠江大学の方から提案を頂きまして、村の気候に適した物がないか試して貰っています。
 国の中では気温が低めなエリアなので果実は無理だと思われていたのですが、日本の気候で育つ美味しい果物なら栽培出来るかも知れないと、気候に合わせた品種改良も視野に入れて研究して頂いてます。」
「それに成功したら大きいわね。」
「はい、村では何の知識もないまま土地に合わない作物を細々と作っていましたが、農地改良を進め栽培する作物を変えてから、村の生活は一気に良くなりました。
 子ども達にも学問の重要性が伝わっていると思います。」
「知識、学問の成果か、子ども達にとってもインパクトが有ったでしょうね。」
「だろうな、日本では学問の重要性を感じられない子どもが少なからずいて残念だよ。」
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