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近衛予備隊-158 [高校生バトル-58]

 初めての人との会話を和ませる時、シャルロットはルーシーがお子ちゃまだと言う話しをするのだが、その辺りはルーシーも心得ていて、時に自虐を交えながら周りを楽しませてくれる。
 香菜が物怖じしない子と言うことも有ったが、仲良く成るのに時間は掛からなかった。

「香菜、作業に慣れてる子と慣れてない子の差が有るみたいだね。」
「はい、リーダーや私は小学生の頃から学校外の行事によく参加していましたので、そうで無い子とは差が有ります。
 親に連れられキャンプやバーベキューに行くと色々なことを教えて貰えて楽しかったのですよ。」
「中学一年生にして経験の差が有る訳だ。」
「ええ、うちは父も料理が好きで小さな頃から一緒に調理をしていました、昨日今日始めた素人には負けません。
 王家の方々は、料理が出来ると職業の選択肢が広がるだけでなく心が豊かになる、また、料理人としての資質を上げようとすれば自ずと総合的な能力を伸ばすことに繋がると、子どもの頃から料理することを推奨して来られました。
 うちは両親共に王家の方々を尊敬していますので自然な流れだったと思います。」
「自分達も王家の方々を紹介して頂いたが、素敵な人達で尊敬してるよ。」
「ジョンも子どもの頃から料理をしていたのですか?」
「うん、何時頃からだったかな…。」
「十歳ぐらいじゃなかったかしら、大人が作ったものより食べやすかった記憶があるわ、それからも時々作ってくれて。」
「だが、今考えると材料や調味料に限界が有って、美味しいとまで言えるものは出来なかったな。」
「YouTubeで話してたのは大袈裟にしてた訳では無かったのですね。」
「ああ、君たちが見たらあまりの見すぼらしさにビックリする様な村だったんだ。」
「そんな村の出身者とは思えません。」
「プリンセス詩織が来て下さらなかったらと思うとゾッとするわね。
 ねえ、香菜は想い出に残ってるキャンプとか有るの?」
「そうですね、沢山有りますが、五年生の時に参加した夏休みの英語キャンプはスリル満点で特に楽しかったです。
 英語しか使っちゃダメなのだけど、まだそんなに話せる訳でも無く、指示されたことが分からないまま、それまでの少ない経験と勘で何とかしようとしたのですが失敗して怒られたり、思わぬところで何故か褒められたり、まあ、笑って済ませられる程度のミスしかしなかったのは料理の基礎を親から教え込まれていたからだと思います。」
「スリルね…。」
「キャンプ中に使われそうな言い回しを予習して参加したのですが、いざとなると出て来なくて、そのキャンプを切っ掛けに使える英語を目指して英語学習を頑張る様になったのです。」
「我々は英語でも構わないよ、むしろ日本語より英語の方が得意なのだけどね。」
「う~ん、まだそこまでは…、緊張して…。」
「はは、それで英語キャンプの時は英語だけで安全面は確保出来ていたのかな?」
「スタッフや先輩方が気を配っていて下さいました、その時は一番年下でしたので。」
「その後も英語キャンプには参加してるの?」
「はい、中学生になりましたので今年のキャンプでは先輩として小学生達の面倒を見ていたのですよ。」
「大変だったでしょ?」
「いえ、自分達がして貰ったことですし、先輩方も一緒です。
 英語キャンプなどでは先輩や後輩と一緒に色々なことが経験出来て楽しいのですよ。」
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