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近衛予備隊-155 [高校生バトル-58]

 それから話題は猿の真似が得意な予備隊の子に移り他愛のない話へと。
 森の中の道を二人で歩くのは心地良く、旅の緊張が解ける気がした。

「建物が有るよ、あそこがキャンプ場みたいだな。」
「森の中に赤い屋根の木造か…、始めて見る建物なのに何故か懐かしさを感じるわ。」
「だな、木々に囲まれているからか木造だからか。
 前はコンクリート製の近代的な建物に憧れたが、所詮俺は山猿なのかもな。」
「山猿で良いのよ、他人を喰いものにする文明人より、仲間を大切にする進化した猿ならね。」
「ああ、日本人の様に祖先が遺してくれたものは少なくても、いや子孫の為に良い文化を残して行きたいかな。」
「結構大きな施設ね。」
「だな、結衣が言ってた管理棟は…。」

「あっ、あれってジョンとシャルロットじゃない?」
「えっ?」
「ほんとだ、絶対そうだよ。」
「凄い、めっちゃカッコいいし超美人じゃん。」
「お、おい、お前、声掛けてみろよ。」
「私が?」
「お、俺にはムリだ。」

「おいおい、君達、聞こえてたよ。」
「あ~、どうしよう…。」
「管理棟を探しているのだけどね。」
「は、はい、案内します、御免なさい、この人達が失礼なことを。」
「気にしてないよ、君がリーダーなのかな?」
「いえ、グループのリーダーは異世界人とのファーストコンタクトに戸惑ってしまったみたいで。」
「はは、今日はキャンプしに来てるの?」
「ええ、今から昼食を作るところです。」
「何を作るのかな?」
「今日はパスタに挑戦です、ケイトさんほど凝ったものでは有りませんが。」
「あっ、YouTube、見てくれたの?」
「ええ、毎回楽しみにしています、登場する皆さんが素敵な人ばかりですので。」
「それぞれ色々有るのだけどな。」
「管理棟まで案内させて頂きますね。」
「料理の方は大丈夫?」
「彼らは頼りなさそうに見えて結構しっかりしているのですよ、料理には結構慣れていまして。」
「普段からやってるのかな?」
「はい、今日は学校行事として来ていますが、地域活動の一環として小学生を連れて来る事も有るのです。」
「指導的な立場で?」
「ええ、そこの頼りなさそうな男子でも、小学生の前では偉そうにしてるのですよ。」
「はは、彼は何か言いたそうだがな。」
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