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近衛予備隊-153 [高校生バトル-58]

 交流会の翌日、結衣と…。

「日本国の人達はとても便利な生活を当たり前の様に享受してるみたいですが、もし停電になったらとかは考えていないのですか?」
「災害への備えは日頃から考えているけど、実際に長期間の停電となったら大変でしょうね。
 遠江王国では発電のバリエーションを増やすことで、メインの送電が止まっても完全な停電とはならない様にしてはいるのだけど。」
「バリエーションですか?」
「太陽光や風力発電を非常時の電力として使える様にして有るだけでなく、燃料電池車向けの水素ステーションは非常時に小規模発電所の役目を担うし、他にもね。」
「水素利用の自動車はあまり台数が増えていないのですよね?」
「遠江王国はそこも特別なの、この辺りは何時大地震が起きてもおかしくないと長年言われ続けていることも有り、世界的には温室効果ガス削減に向け電気自動車にシフトしつつある中、保険の意味も兼ねて水素の利用を進めているの、効率だけを考えたら電気自動車に絞った方が良いのだろうけど。」
「それも大企業が実験都市の構築に参加しているからなのですね。」
「ええ、水素は自働車の燃料としてだけでなく、化石燃料に代わるエネルギーとして可能性を研究中、扱い易さは化石燃料に遠く及ばないのだけど。
 まあ、バリエーションは有っても、あくまで非常用の発電だから普段通りに電気を使える生活とはならないのだけどね。」
「便利な生活に慣れてる人達はどうするのでしょう?」
「災害の規模にもよるけど、何とかしてしまうのが日本人かしら、まあ、普段からキャンプを楽しんでる人がいるし、薪の備蓄も有るからね、森を大切にしてる見返りはそれなりに有るのよ。」
「子ども達もですか?」
「野外キャンプは教育の一環としても重視されていてね、薪を使ってご飯を炊ける中学生は少なく無いと思うわ。」
「へ~、意外です、教育の目的は非常時でも生活出来る為にと言うことなのですね。」
「それ以上にキャンプでの団体生活を通して協調性を高めることかな。
 協力し合って炊事したりと言った活動を通して集団のルールを考えたりとか。」
「集団のルールと言うことは犯罪の抑止も考えてのことですか?」
「犯罪まで意識してるかどうかは分からないけど、遠江王国では指導者がしっかりしていればキャンプの教育的価値は高いと考えられていてね。」
「統計的な結果も?」
「元々犯罪の少ない土地だったからデータは取りにくいと思うし、花の街作戦に参加してる子が多かったりとか、他の要因も有るから明確な統計は取れないと思う。」
「そうですか…。」
「子どものキャンプを指導してる知り合いがいるから、会って話せる機会を作りましょうか?」
「是非お願いします。」
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