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近衛予備隊-147 [高校生バトル-57]

 結衣の話に俺達は色々考えさせられることとなった。

「心の豊かさ…、私達はとかく物の豊かさに目が行ってた気がするわ。」
「そうね、良き隣人であることを考えてる人なんて村ではほんの一握りでしょ、生活水準が上がりつつある今、精神的な豊かさも考えて行かないとホントの意味で良い村にはならないよね。」
「だよな、その辺りの教育も考えて行く必要が有りそうだ。
 遠江王国で街を綺麗にしてるのは子どもを含めたボランティアだろ。
 俺達の村では生活に余裕が無かったことも有って考えられないことだが、今の村には少しづつ余裕が出来つつ有る、その余裕が人をギャンブルに向かわせるのかボランティアに向かわせるのかでは差が大き過ぎる。」
「町へ有り金全部持ってギャンブルに出かけ、結果飲まず食わずで歩いて帰って来た人がいたものね。」
「色々と反省したからなのか元受刑者の方が余程考えてる気がするわ、人は一度痛い目に遭ってみないとダメなのかもね。」
「遠江王国を紹介する映像では、その辺りを強調して貰おうか。」
「そうね、でも、上手く伝えられるかしら?」
「撮影スタッフと話し合ってみる必要が有りそうだな。」
「結衣達が理想的な社会を考えて来たことも伝えたいと思わない?」
「そもそも社会に対する意識が微妙だがな、社会集団に対する帰属意識が有る様な無い様な…。」
「集落毎の結びつきは強いのだけど村全体となるとね、転入して来た人達によって人口が増えたから前以上に村としてのまとまりがなくなって…。」
「涼子は東京のことを隣に住んでる人のことすら何も知らずに暮らしてる社会だと話していたけど、この先村が拡大して行くとそんな感じになってしまうのかしら?」
「居住地の社会集団に帰属する必要性が薄らいだらな…。」
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