SSブログ

近衛予備隊-142 [高校生バトル-57]

 ホテルに到着した俺達は、暫く休憩した後、レストランの個室に案内され久しぶりにプリンセス詩織との夕食。

「ジョン、東京はどうだった?」
「驚きの連続でしたが、日本の良いとこだけでなく抱えている問題も教えて貰いました。」
「平和そうに見えて意外と社会問題が多いでしょ、何とかしたいと思ってもお金が上手く回らなくて難しいのよ。」
「貧富の差ですか、自分の場合は周りも似た様な暮らしをしていましたので、貧乏は気にならなかったのですが、この国にはお金持ちが沢山いて贅沢な暮らしをしてるのを目にする機会が多いですから辛さが違うと思います。」
「その日本国の一部でも有る遠江王国は、少しマシになって来たのだけどね。」
「ここまで来る途中、色々教えて貰いましたが、王国では最先端の交通システムを導入しているそうで。」
「最先端と言うほどのものばかりでは無いのよ、信号機の集中制御なんて何年も前の技術で出来たこと、遠江王国では随分前からやっていることなのだけど、日本国では最近になってようやく警察庁が集中制御化についての通達を出したと言うレベルでね。
 大きな組織の上層部は頭の良い人が多い筈なのだけど、無駄に信号待ちをさせて無駄なエネルギーを消費させ無駄な時間をドライバーに使わせていたのことに、ようやく気付いたのか動く気になったのかと言う感じなの。」
「東京は交通量が多いから信号機も多かったです、遠江王国の実際はよく分かっていませんが。」
「赤信号と青信号の長さを交通量の実情に合わせてコントロールしたり、青になるタイミングを信号機間で調整することにより、例えばここの国道を時速六十キロで走っていたら、信号機で止められる回数は必要最低限の回数に抑えられるのよ。
 交通量が多過ぎると赤信号で止まる回数は増えるけど、それなりの効果は有って、どちらもやろうと思えばどこでも出来ることなのだけどね。」
「うちの村には関係無さそうです…。」
「車は少ないし村までの広い道路は一本だけ、村の中心部の交差点はラウンドアバウト、環状交差点を導入しているものね。」
「東京の交通量ではラウンドアバウト、無理そうです。」
「東京に色々集中させ過ぎた弊害の一つが交通量の問題なのだけど、地方の小都市でも道路事情が悪いと渋滞が慢性的に発生する、個人所有の土地ばかりだから思う様な都市設計が出来ないの。
 その点、村の店や王宮を建てたエリアは好きな様に道路を造れて気に入っているのよ。」
「廃村になりそうな地区でしたものね。」
「気候も悪くないのに道路事情が悪すぎたおかげかな、それと大統領が好きに造り変えて良いからと認めてくれて。」
「大統領に改革で協力したのは、そのお返しだったのですか?」
「ええ、本当の改革はまだこれからだけどね。」
nice!(12)  コメント(0) 

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。