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近衛予備隊-128 [高校生バトル-55]

 昼食をホテル内の店で済ませテレビ局へ移動。
 武史が先に来ていて出迎えてくれた。
 テレビ電話で話したことは有ったが実際に会うのは初めてで少し変な感じだ。
 彼に案内され控室へ。
 用意されていた服に着替え軽くメイクをして貰う。
 今日の進行は事前に知らされていて、今回は武史とのパフォーマンスが中心になる。
 番組では俺の口パクに武史がその場でセリフを合わせた映像をYouTubeチャンネルと同じ様に編集して貰い解説付きで紹介する。
 この作業、始めた頃は繰り返し録画を交換し合い練習を重ねて自然な感じを演出するのに苦労したが、最近では俺が日本語に慣れたことも有り時間が掛からなくなった。

 番組の収録は問題なく済み…。

「実際の動画メイキング風景を見せて貰い、改めて凄い才能だと思いましたよ。」
「涼子、武史の特技なのです、日本人スタッフが真似しても全然上手く出来ませんでした。」
「いや、ジョンの努力にも頭が下がるよ、日本語の上達が早くて合わせるのが直ぐに楽になったからな、ホントは随分前から吹き替えする必要は無くなっていてね。」
「二人のジョンに二つの声が話題になってやめられなくなったのです。
 私達にとってはジョンと武史のやりとりが日本語の練習に役立っています。」
「皆さん日本語の学習を始めてから二年と少しだと聞きましたがとてもお上手で、日本語を使う機会がないと上達しないですよね。」
「日本人スタッフと仲良しですし、プリンセス詩織も教えて下さいますので。」
「ルーシーは詩織さまと、よく話されるのですか?」
「ええ、宮殿に出入りする人は私達以外全員プリンセスより年上だからか、妹の様に良くして貰っています。」
「詩織さまはすっかりあなた方の村が気に入ってしまわれて、弱肉強食の日本が嫌になられたのだとか噂されているのですが…。」
「弱者の為に如何にして稼ぐかを考えてる人ですので…、日本は弱肉強食なのですか?」
「日本だけでは無いかもだけど…、詩織さまだけでなく遠江王家の皆さんは社会的弱者の為に何が出来るかを考えておられるのですが、根本的な解決までは難しく、嘆いておられるのではないかと。」
「プリンセス詩織が嘆いている所を見掛けたことは有りませんが、私達の村は少し山よりに有ることで暑過ぎず寒過ぎないところが良いと話されていましたよ。」
「それと来客の少なさ、日本から軽い気持ちで会いに来られないところが良いそうです。」
「村は平和なのですか?」
「村長がジョンですから。」
「シャルロット、戒厳令が出されたりしてた国の話しだけど、それってどんな意味で?」
「ジョンは武史と同様、人気者なのですよ。」
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