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近衛予備隊-127 [高校生バトル-55]

 東京二日目の午前中、滞在をサポートしてくれるプリンセス雅のスタッフとホテルのラウンジでしばらく話をした。

「涼子、東京は本当に自動車が多いですね。」
「多過ぎますよ、地球温暖化の原因って実感させられませんか?」
「地球温暖化は今までニュース番組を通して見聞きすることは有っても、自分には関係ない話だと感じていましたが、環境を守る様々な規制が有るとは言え、この瞬間にも膨大なエネルギーが消費されているのですね。」
「ええ、特に都市部では気温が高くなるぐらいに色々な形で消費されているのです。
 温室効果ガスの影響だと思われる災害が多発し始めて、ようやく対策を真面目に考え始めた所で遅過ぎると感じています。」
「我々の国では産業が貧弱ですので、そう言った問題にはあまり目が向けられていません。」
「でしょうね、原因を作った国々には環境より金儲けを優先させる、貧富の差が広がっても気にも留めない人ばかりなのです、利己的で…。」
「我々も生活水準を上げる為に、温室効果ガスの発生量を増やさざるを得ないかも知れませんが…。」
「それでも日本に比べたら微々たるものです。
 日本は将来を不安にさせるほど化石燃料を使っても、豊かな国と言うより貧富の差が広がる、心貧しい国なのです。」
「とても豊かな国だと思っていますが。」
「どうでしょう、様々な社会問題を抱え、既に衰退し始めてると言う見方も出来るのです。」
「社会問題ですか…、我が国では大統領による荒療治によってようやく犯罪の発生件数が減った所です、それでも日本に比べたら殺人や傷害事件の発生件数はかなり多いのです。」
「そうでしたね、戒厳令と言うのは厳しいものだったのですか?」
「戒厳令中は自分達の村に大統領が滞在し、取り締まりの中心となった大統領親衛隊の本部が有りますので、村は警備の兵こそ多かったですが特別なことは無かったです、田舎ですから。」
「やはり都会とは違うのですか?」
「はい、日本もそうだと聞いています。」
「いずこも同じか…。」

 日本はとても豊かな国だと思っていたので彼女の話は意外だった。
 富める国は富める国なりの問題を抱えていると言うことだろうか。
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