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近衛予備隊-113 [高校生バトル-54]

 戒厳令に関するニュースは毎日入って来るが、村はあまり影響を受けていない。
 警察関連の施設へは連日逮捕された人達が送られて来ている様だが、それ以外は大統領が滞在している関係で警備が厳重になっているぐらいだ。
 大統領は何か問題の起きる度に大統領令を出し、問題解決の指針を示していることも有ってか、揉め事は起きても今の所大きなトラブルにまでは至らない。
 いきなりの戒厳令で日頃犯罪に手を染めてた連中も戸惑っているのではないかと思う。
 大統領は戒厳令に乗じて自分の都合に合わせた大統領令を連日出しているとも言えるのだが、基本的には犯罪によって富を得た連中を罰する内容が主なので一般民衆はそれを支持している様だ。
 罰の主流が罰金や財産の没収なのは、刑務所の定員問題が関係しているのだが、全財産を没収するのではなく、贅沢しなければ暫く暮らして行ける様に配慮もしているので罪を犯した自覚の有る者は文句も言えない。
 犯罪者の摘発は、当初大統領親衛隊だけでは人手が足りなかったそうだが、若い警察官、軍隊の若い兵士が大統領の指示で再編され犯人逮捕を手伝い、町の巡回警備を担う様になり汚職摘発のニュースは毎日途切れることはない。
 彼らにまで新しい制服は用意出来ず、代わりの目印として大統領の思い切った改革路線に賛意を表す胸章を付け活動している。
 この胸章、表向きは警察官らの自発的なものとされているが、実は大統領親衛隊が仕掛けたこと、裏は有っても上手く機能してるのだから問題はないだろう。
 戒厳令下の町は表向き、国軍の兵士が警備の為に巡回してるぐらいで、ニュースと言えば主に公務員関係の汚職者が新たに摘発されたことと大統領令関連ばかりである意味平和だった、昨日までは。

「ついに組織犯罪集団、マフィアとの交戦が始まってしまったわね。」
「しかし、国軍の軍事車両を投入とは大統領親衛隊も思い切ったことをしたものだな。
 これだけテレビで流され、しかもほとんど親衛隊側の一方的な交戦風景を見せられたら他のマフィア連中は大人しくなるしかないのではないか?」
「それが狙いなのかもね、でも、マフィアが大人しくなるのかしら?」
「戒厳令下で大統領親衛隊に逆らったら銃殺されても仕方ないみたいな大統領令も出されているが…。
 それが実行され、いよいよ本格的な独裁国家になって行くのか…。」
「ポイントは平和的な反政府勢力に対しても銃が向けられるかどうかでしょ?」
「現状、そんな勢力に力はないみたいだな、先々のことは分からないが…。
 力で抑え込まれたマフィアの人達はどうすると思う?」
「う~ん、犯罪とは言えそれで生計を立てていた構成員にとっては仕事を失うことになるのか…。」
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