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近衛予備隊-112 [高校生バトル-54]

 会議を通してプリンセスの、そして近衛隊のこの地に於ける方向性が見えた気がする。
 プリンセスは、この国が治安の良い国を目指すのなら協力を惜しまないと大統領に伝えてあったそうで、いささか乱暴な方法では有っても大統領の覚悟が伝わって来たのだから、この国の改革に対し積極的に援助して行きたいと表明された。
 それが出来るのはプリンセスの予定が大きく変わったことにもよる。
 当初は多くの国にこの村と同じ様な拠点を築いて行く計画だったが、プリンセスに対する民衆の支持は高くても、各国の指導者にはそれぞれの事情が有り思う様に行かないとの判断がなされたのだ。
 そこから多くの国を意識するより、これまで拠点を作り上げることに成功した国、その中でも特に状態の悪いこの国に力を注ぎ、改革を進め結果を出すと言う方向性をプリンセス詩織は会社の幹部に示し了承されていた。
 そんな事情も有り資金的に難しいと思いながら提案した、マーケットで販売する自社製品製造の案は前向きに検討されることに。
 新店をオープンさせながらの商品製造と言うことでハードルは高そうだが、遠江王国の助力が期待出来るので有れば無理な話ではない。
 勿論マーケットでは利益を出さなくてはならないが、道路沿いにオープンしたマーケット一号店は規模が小さいため売り上げこそ大きく無いが予定通り黒字となっていて、人口の少なさやエリアの所得水準の低さを考えれば上出来と言える。

「戒厳令が出され、これからどうなるのかは分からないけど、私達は国が良い方向に向かうと信じて経済面を考えることになりそうね。」
「そうだな、汚職が減り治安が良くなるとしても、経済面が改善されないと先が見えない、ここは長い目で見たい所だが、すぐに恩赦で住む所が無くなる人達をフォローして行く必要が有る。」
「今後、刑務所への入居者がどんなペースになるのかが問題よね、恩赦で出る人との入れ替わりがスムーズに行けば良いのだけど。」
「まずは、恩赦になる人達の調査だな、帰る家が有るのか仕事は有るのか。」
「テント生活でも構わないのなら、各自のスキルを聞いておいて仕事の割り振りに役立てる?」
「そのまま刑務所内の施設を使わせて貰えるので有れば、今の仕事を続けて貰うと言う手も有るのかな。」
「新工場の建設はどう?」
「工場は必要になるだろうが、問題はそこで何を作るかだろ、そこが決まらないと…。」
「戒厳令によって不足する物とか出て来るのかしら?」
「う~ん、何がどうなって行くのかさっぱり分からない。」
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