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近衛予備隊-111 [高校生バトル-54]

「会議室に集まったのは三十名ほどだったが、手の空いてる近衛隊メンバーはモニターでその進行を見ることも、メールで会議に参加することも出来るシステムになっている。
 まずはプリンセスから。

「戒厳令そのものに関して私達は見守る立場になります。
 それぞれが意見を持っていたにしても、この国の問題に対して口を挟むことは控えて下さい。
 現在進行中の案件には、戒厳令からの流れに直接関わるものも有りますので慎重にお願いします。
 その一つとして、全ての公的機関へコンピューターシステムを導入して行く作業が有ります。
 実は、システム導入に向けての作業を利用して多くの不正が確認され大統領親衛隊に対して秘密裏に情報を流してきました。
 今後も作業が進むにつれて様々な不正が露見して来ることが予測されますが、それを発見したと言う功績は、作業に携わっているこの国のスタッフのものにすることが理想だと考えています。
 私達は、今回の件で目立つべきでは無いと考えていますので…、ジョンもそう思うでしょ。」
「はい、功績を上げることは名誉なことでは有りますが同時に責任が生じます、それを私的なチームが負うことは避けるべきだと思います。」
「ですね、その辺りのところを担当リーダーは慎重にお願いします。
 不正だらけ、辻褄の合わないデータばかりで大変だとは思いますが、データを正常な形にしてシステム運用を開始することが行財政改革の第一歩だと考えています。
 もう一つ、大きな案件として有るのがマーケットの多店舗展開です。
 各地で調査に当たって下さっているスタッフからの報告によれば、治安がそれ程悪くないエリアはそれなりに有り、そんな所から早めに新店舗を立ち上げて行きたいと考えています。
 店舗スタッフを雇うことで、ささやかでも雇用の場を生み出せますので。
 但し、先ほど恩赦の規模を大統領に確認したのですが、ここの刑務所に入ってる人だけでなく、かなりの規模を考えておられました。
 これから一気に増えるであろう受刑者対策でも有るのですが、恩赦によって出所した人達に対して住まいや職を考える余裕は大統領の管轄下には無さそうです、そこを私達の手で何とかカバーしたいのですが、何か雇用の場を生み出す案を持っている人はいませんか?」
「ジョン、どうぞ。」
「マーケットの多店舗展開に合わせて、販売する商品を自社製造と言う形に出来ないでしょうか。
 勿論予算面で難しいことは分かっていますが、輸入を増やして対応するより効率的な商品は有ると思うのです。
 成功すれば利益率も上げられます。」
「ジョンの意見について、どう思います?」
「時間が掛かっても進めるべきですね。」
「遠江王国の協力が得られれば、そんなに時間は掛からないと思います、宜しければ遠江の本部と掛け合ってみますが如何でしょう?」
「そうね、相談すれば良いアイディアが出て来るかも知れません、こちらの状況を伝えて向こうでも考えて貰いましょう。
 大統領の思惑通りに事が運べば、今後今の低所得者層が内需を拡大してくれる可能性は大いに有りますが、その過程で貧困層が押し潰されない無い様に雇用の問題は私達にとって最重要課題に位置付けたいと思います。
 これからの困難を乗り越えることが出来れば海外資本がこの国の可能性に気付き動く、いえ、私達の力で海外資本を動かすぐらいの気持ちで向き合って行きたいと考えていますので皆さん、よろしくお願いします。」
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