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近衛予備隊-109 [高校生バトル-53]

 その場で手錠を掛けられ逮捕の理由を告げられたのは、国軍のトップ、首相、裁判所のトップなど計八名、全員の顔が青ざめていたことから犯人役では無く、犯人として拘置されたのだと分かる。
 八名が留置場へ送られたところで大統領が話し始めた。

「国民の皆さん、今の逮捕は芝居では有りません、この場で八名の犯罪者を逮捕しました。
 全員に余罪が有りますが、これが我が国の現状です。
 各組織のトップを逮捕した訳ですので、これから内政に混乱が起きることになります。
 しかし、同時に逮捕しないと逃げたり証拠を隠滅する輩が出たと思います。
 今、この時も、この番組を見て証拠隠滅を図ってる者が何人もいることでしょう。
 先ほど紹介されました大統領親衛隊は警察官と国軍兵士から組織しましたが、彼らは今、各地でそれぞれの地域の真面目な警察官と協力し犯罪者の逮捕にあたっています、但し充分な人数とは言えません。
 そこで戒厳令を敷きます。
 混乱に乗じての逃亡者、及び混乱を大きくしようとした者は厳しく罰せられます。
 この戒厳令が解除されるまで、どれだけの時間が掛かるかは国民の皆さん次第になります。
 皆さんが冷静に普段通りの生活をし、今まで犯罪を犯して来た者がそれを反省し自ら警察に出頭するので有れば解除までの期間は短くなります。
 今回の特例として自ら出頭した場合は減刑となりますが、裏でこっそりお金を渡しての減刑依頼は重罪となり、お金持ちでも貧乏人でも同様に裁かれます。
 また、明らかに冤罪で刑務所行きとされた者、軽微な犯罪で逮捕されたが模範囚として刑務所で過ごして来た者に対しては恩赦が適用されます。
 この国から病巣を取り除き暮らし易い国に出来るかどうかは国民一人一人に掛かっていると考えて下さい。
 また…。」

 大統領の話は続いているが、俺は様々なことを考え始めていた。
 村に大統領親衛隊の本拠地が有るので、犯罪による混乱は考えにくいが、混乱に陥った地域から、ここへの避難を考える人が出て来る可能性は否定出来ない。
 問題はその規模が大きくなってしまった時、我々が上手く対応出来るかどうかだ。
 丈夫で大きいテントは大統領親衛隊が訓練生時代の初期に使っていた物が有る筈、設営する場所は刑務所の近くの広場が使えるが、それで足りるだろうか…。
 この戒厳令に対して犯罪組織がどう動くかについては予測出来る情報を持ち合わせていない。
 これから近衛隊や予備隊のメンバーと情報を集めながら、俺達に何が出来るのかを考え、大統領親衛隊の活動を見守って行く必要が有るだろう。
 う~ん、恩赦が適用される人達には住む所と仕事が必要だが…、大統領はそこまで考えているのだろうか、多分ここの刑務所に入れられている連中は、そのほとんどが恩赦の対象になる筈。
 プリンセス詩織と相談する必要が有りそうだ。
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