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近衛予備隊-107 [高校生バトル-53]

 ぬいぐるみや玩具をマーケットで売る話が広まると、今まで玩具作りに関心の無かった人が興味を持ち始め、玩具作り教室は更に盛り上がり始めたのだが、そんな折、村に戦車がやって来た。
 戦車だけでなく国軍の車両が相当数、列を連ねて村に入って来たのだが、それはプリンセス詩織にさえ知らされて無かったこと。
 国軍高官からの説明は大統領の訪問を前にした警備強化の一環だと言う一言だけだ。
 この様なことは先回の訪問時に無かったことで村中がざわついている。
 知り合いの訓練生は、知らされていたものの他言無用となっていたと話してくれたが、それ以上のことは自身も大統領の発表待ちだそうで、村人たちを落ち着かせるネタを仕入れることは出来なかった。

「シャルロット、予備隊幹部の学習、明日は中止になったよ、代わりに大統領関係のテレビ番組を見る様にと指示が有った
「では食堂に集合ね、テレビ放送の時間を確認して連絡しておくわ、それにしても大統領からの発表はそんなに重要なのかしら?」
「戦車付きの国軍を護衛に伴うレベルだから少し心配だな、戦争ではないと思うが。」
「それなら、この村に来る必要はないものね。」
「うん、最近町へ行くからと挨拶に来る訓練生が多くて…、何か関係が有るのかな。」
「村長に挨拶とは律儀ね。」
「だろ、それが皆さん一様に真面目な顔をしていて、人には言えない何かを秘めてるみたいなんだ。」
「町へ行ったままになるの?」
「いや、日程は決まってないが仕事の関係で一時的なことだそうだ。
 その穴を埋める為に戦車が来たのではないよな。」
「そんなバカげたことを言い出す程、情報が無いのね。」
「ああ。」

 ここの所、訓練生からの情報が全然入って来なくなっている。
 大統領関係や訓練施設関係のことで気になってることを聞いても、本当に知らないか、何か隠しているかのどちらかだ。
 ただ、必死に隠そうとしてる人に対して、追及すべきでは無いと考えているので、自分に分かるのはその彼が隠し事をしていると言うことだけ。
 明日、大統領からの発表を聞けばすっきりするのだろうか…。
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