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近衛予備隊-106 [高校生バトル-53]

 男性が作る玩具とは違い、女性達は人形やぬいぐるみ作りに取り組む人が多い。
 特に夫と同居する為に越して来た人達は、ここでの生活に慣れ始めると家事に取られる時間がかなり少なくなり、今は空いた時間を使って同じ境遇の人達と共に、おしゃべりしながらのぬいぐるみ作りに精を出している。
 村に慣れたら店で働いて貰うことも考えていたが、彼女達の作業を見ていると慣れない接客よりオリジナルのぬいぐるみや人形を作って貰い、その販売を考えた方が良いと思えプリンセスに相談することにした。

「質の良いオリジナルデザイン商品を製造出来るので有れば彼女達にとってプラスになるわね、長時間拘束する必要はないのだから各自マイペースで働いて貰えば良いわ。
 デザイナーとも相談してみるけど、ジョンは彼女達と相談してくれる?」
「はい、相談してみますが、ルーシーは制服姿の人形を提案してくれました、ここは制服姿の人が多くて女の子達にとって憧れの存在になっているのです。
 今後、ここでトレーニングを受けた警察官や兵士の制服はデザインが一新されると聞いていますので、近衛隊、予備隊と合わせて製造してみるのはどうでしょう、子どもが遊ぶ為の物だけでなく室内装飾の一部となる様なクオリティーの高い物まで用意出来ればと思うのです。
 子どもの為には店の制服などを身に纏う人形も有れば喜ばれます。」
「では、マーケットで売る安価な子ども向けは、ぬいぐるみ作りに取り組んでる人達と相談するとして、ハイクオリティーな着せ替え人形は本体を日本から、それにここで作った制服と合わせるという方向でどうかしら?」
「本体は難しいのですね?」
「ええ、売れ行きが良ければここでの製造を考えても良いけど、まずは服からスタートした方が無難だと思うの。」
「分かりました、本体のサンプルは誰にお願いすれば良いですか?」
「そっちは私の方で手配するから気にしなくて良いわよ。」
「人形に関しては試作品を作って貰ってから検討ですね、それで…、少し気になっているのは警察官と兵士の制服なのですが…。」
「今のは少しダサいでしょ、近衛隊や予備隊と同じ様にスタイリッシュな物に替えるのよ。」
「しかし、警察官や兵士全員では無くここの人だけが一新と聞きまして、問題になると思うのですが。」
「大統領の判断だから大丈夫でしょう、詳しくはまだ話せないけど、近い内に大統領がこちらへいらして発表となるから、その時にね。」
「はあ…。」

 どうやらまだ秘密にしておかなくては行けない事情が有る様だ。
 制服の話は親しい警察官や兵士達も知らないそうで、噂の出どころは制服を運んだ運送屋だとも聞いていたが、プリンセスが明かしてくれたことで運送屋の話は本当なのだろう。
 ただ、プリンセスが教えてくれなかった大統領からの発表はとても気になっている。
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