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近衛予備隊-105 [高校生バトル-53]

 趣味普及チームが、まず取り組んだのは玩具作り、玩具作り教室として募集を掛けたところ我が子の為に、また子どもがいなくても面白そうだからと参加者が集まった。
 作り方を教える玩具は、近衛隊メンバーがそれぞれの出身国で作られている物をサンプルとして用意したものを製作難易度別に分け各自選んで貰うが、材料は主に木材や布など自分達で用意出来るものに。
 最初に様々な遊び道具が紹介されたが、中には作り始める前から大人達が夢中になるものも有り、図らずしもそれまで交流の無かった人達が交流する場ともなった。

「ジョン、玩具作り教室は盛況みたいね。」
「ええ、詩織、遊びに来てるだけの人もいますが、それはそれで良いと思っています。」
「玩具の出来栄えはどうなの?」
「人によって差は有りますが、手先の器用な人が作った物は欲しがる人が居るぐらいで、先々店の商品として販売することを視野に入れてると伝えて有ります、そんなハイレベルな作品は多くないですがマーケットで利益率を抑えれば売れそうな物は普通に作られています、問題外のも有りますが。」
「受刑者でも作れるかしら?」
「それなりの人数がいるのですから、作れる人もそれなり居るのと思います、刑務所で作って売りますか?」
「出所後に出来る仕事の種類を増やしたいと思ってるの、今は農作業に人手を使ってるけど近い将来機械化を進め始めるからね。」
「工場を建てるのですか?」
「出所後の人達を雇用する為にも必要でしょ、今は何を作るか検討してるのだけど利益を考えると難しくてね、質の良い玩具なら輸出を視野に入れられると思って。」
「日本には安価な物しか送れていませんものね、利益がここに還元されて無かったら二国間の貿易は酷くバランスが悪いものだと思います。」
「ええ、理想としては自力で生活環境を良くして行くことだからね、どうしても良い商品を見つけられなかったら、関係企業の下請けと言う手が有るのだけど、うちの傘下では有っても出来れば下請け企業では無く自立した会社にしたいの。」

 この村はずっと会社に頼って改革を進めて来たが、ずっとその状態では無く自分達の手で自分達の村を造って行ける様にならなければ村造りに成功したとは言えない、とは、プリンセスが近衛予備隊に対して口にされて来た言葉だ。
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