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近衛予備隊-101 [高校生バトル-53]

 訓練生達が真面目に働いてくれるので、荒れ地は順調に整備されつつある。
 警察官にとっては仕事に直接結びつく作業では無いのだが、きつい肉体労働を想定していたのに最新式の重機が用意されていたので作業が楽しいそうだ。
 当初危惧していた警官と兵士の仲に全く問題が無いのも作業が楽しいと言うことが関係しているのだと思う。
 毎週新人が送られて来るが、先輩達が丁寧に教えているのでスタートから二か月程トラブルは無く仮設住宅、仮設会議室の建設と着手、仮設住宅の完成が近づいたので、次は学校の仮設校舎にも着手しようかと言うタイミングで逮捕者が出た。
 禁止薬物を売りさばこうとした警察官がいたのだ。
 彼の誤算は真面目な警察官や兵士ばかりだったことで、売りさばこうとしたらすぐに逮捕され取り調べとなった。
 結果、彼の背後で指示を出していたのは町で働く現職の警察官だと判明。
 薬の売人となっていた警察官はその指示で動いていただけの下っ端、若手ばかりが集められ普段より給料が良いここでなら簡単に売り捌けると考え送り込まれたのだが、店のプリペイドカードで薬物が買える訳もなく、売人役の警察官は焦っていたそうだ。

 逮捕を受け、急遽完成間近の仮設住宅が拘置所としての役目を果たすべく補強され、研修の一環として町に住む警察官の逮捕に出向き村まで護送して来ることになった。
 それと合わせて、予定していた検事や裁判官などの研修を前倒しすることになる。
 そう、プリンセス詩織は単なる警察や国軍の訓練だとは始めから考えていなかったのだ。
 若手の検事や裁判官の住まいには宮殿内、近衛隊メンバーの寮が充てられることに。
 それが可能になったのは、近衛隊メンバーがここでの滞在期間が伸びたことに合わせ、この国の調査の為、各地に派遣されたからだ。
 一方、逮捕者が出たことにシャルロットは心配な様で…。

「拘置所は仮設で大丈夫なの?」
「多分な、逃げられない様に色々な工夫が施して有るだけでなく美味しい食事を提供するそうだ。
 取り調べは様々な研修の一環として行われるので長期間になると伝えたら、それに従うと答えたそうだ、下っ端だからか協力的、売人としての扱いはひどかったみたいだよ。」
「彼はずっと拘置所暮らしになるの?」
「いや、作業をして貰うし、それに対する賃金も支払われる、額は少ないが買える物も少ないから充分だろう。
 作業して貰わないと、これから刑務所も建てて行かなくてはならないからな。」
「学校の近くに?」
「殺人とかを犯した凶悪犯の為の刑務所ではないから大丈夫だよ、近くと言っても隣接して建てる訳ではないし、農場を開き囚人に働いて貰うことを考えているそうでね。
 今は荒れ果てているけど、昔は大規模農場を目指してた土地で余裕が有るからな。」
「あの土地がそんな使われ方をするとは思ってもみなかったわ。」
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