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近衛予備隊-100 [高校生バトル-52]

 警察官と兵士からなる訓練生は第二陣の宿泊地整備と並行して研修を行っているのだが、今は組織運営に関することが中心になっている。
 宮殿内で行われているので自分も時間が合えば参加しているのだが、そんな時の休憩時間には極力彼らと過ごす様に。
 彼らが英語を話せないこともあるが、警察や国軍の実情を知りたかったからだ。

「ジョンは若いのに凄いな、かなり学習したのだろ。」
「うん、始めの内は良く分かっていなかったけど、学習が進むにつれて視野が広がり、村を良くしたいと言う思いが強く成ったからね。」
「俺だって、警察官になった頃は犯罪を減らして、とか思っていたのだけどな。」
「裏切られた?」
「ああ、警察幹部のしてることなんて犯罪に等しいと思うんだ。
 犯罪の取り締まりより、如何にして私腹を肥やそうかと考えていそうでね。」
「国軍も似た様なものさ、装備品や食料代、多分自分達の給料の為の予算も含めてその一部が軍幹部の懐に入ってるとしか思えないよ。」
「でも彼らを取り締まる存在はいないのだよな、国の偉いさま方とも組んでいそうだし。」
「大統領は兎も角、プリンセス詩織に期待するしかないのかな。」
「プリンセスはそう言い立場ではないだろ。」
「でも、こうして自分達に研修の場を作ってくれ、美味しい食事と適度な作業を用意してくれてるじゃないか。」
「こんなに恵まれてると知ったら第二陣の連中もビックリだろうな。」
「第二陣は何時頃になるのです?」
「自分達のキャンプ地は毎週拡大して行くと聞いてるから週明けじゃないかな、作業や研修に無理の無いペースだよ。」
「始めは銃器に関するトレーニングが中心になると思っていたのが全然違うものな。
 組織について自分達が学ぶとは考えてもいなかった。」
「だよな、普段は上司に言われるがままで、自分の意見など言えたものでは無かったが、ここでは自分の考えを明確に示すことが求められているだろ。」
「それが正しかろうが誤っていようが関係ないのだから驚いたよ。」
「ああ、リーダー論に出て来る理想的なリーダー像は自分達の上司と真逆だものな。」
「考えさせられるね。」
「う~ん、自分は店の開店に合わせて組織論やリーダー論を学習して来たのだけど、その内容は普通に納得出来ましたよ。」
「それは分かる、警察の組織の方がおかしいんだ。」
「プリンセス詩織がそれを知ったらどう思うのかな?」
「まあ、ご存じだから動いているのですよ、ただ、この先のことは自分にもさっぱり分かりません。」

 さっぱり分からないと言うのは本心。
 人の心が有る程度読めると言っても、プリンセスが考えてること、特に込み入った話については全く分からないのだ。
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