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近衛予備隊-95 [高校生バトル-52]

「録画を見た雅がジョンは感が良いって褒めてたわよ。」
「そう言われましても、自分では何も分かりません。
 歌詞の意味だけは教えて貰いましたし、用意して貰った曲は悪くないのですが日本人が歌ってる様には全く歌えないです。」
「そこが面白いから、録画されたものは色々な形で使ってみるそうよ。
 YouTubeはまず一本目の動画から数回かけてジョンの紹介、メインターゲットを日本人にするからナレーションは全部日本語でね、英語字幕は入るけど。」
「対象が日本人だけでは視聴数が伸びないと思うのですが。」
「そうね、大ヒットは期待出来ないけど、雅が宣伝してくれるから家一軒分ぐらい稼ぐのに何か月も掛かることは無いと思うわ、彼女はジョンを有名人にしようと目論んでるのよ、日本国内だけでね。」
「そんなことが…、自分は日本に行く予定、無いのですが。」
「そこがYouTubeの強みなの、ジョンはバーチャルユーチューバーって知ってる?」
「いいえ、初めて耳にする言葉ですが…。」
「2DCGや3DCGで描画されたキャラクターが実際に話してるかの如く声優担当が話したりするのだけど、差し詰めその実写版と考えていてね、ジョンは声以外を担当する訳。
 因みに衣装はうちの関係で製造販売をしてるのを着て貰うから、その宣伝費もジョンに入るわよ。」
「だから詩織は強気なのですか?」
「ふふ、それだけでは無いわ、向こうのスタッフ連中中心にジョンのファンが増え始めているのよ、すでに。」
「えっ?」
「ジョンのルックスは日本人好みなのかもね。」
「はあ、良く分かりませんが…。」
「兎に角、村とは全く関係ない所で稼ぐのなら何の問題もないでしょ。
 だから少々面倒な注文にも応えて上げてね。」
「勿論です、プリンセス雅が自分の為に色々考えて下さっていますので。」

 ただ、プリンセス雅の考えに俺がついて行けないことも有り、様々な注文に戸惑うことはこれまでも多かった。
 ジョンと言う英語を話し村の村長をしている存在の他に、日本語を話し歌の上手いジョンと言う人格を作り出すそうで、俺が英語での質問に答えた内容は、日本語を話す人格が英語を話す人格に日本語で質問する形に編集されると言われたがピンと来ていない。
 完成したものには英語の字幕が付くので完成を待っているのだが、一本目から順に作業してるのでは無いそうで…。
 一つの救いは、近衛隊メンバーは全員プリンセス雅のことを知っていて、この企画に関して皆が協力的だと言うことだ。
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