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近衛予備隊-94 [高校生バトル-52]

「ジョン、歌の練習はどう?」
「自分は詩織と違い歌は苦手なので苦労しています。
 祭りで歌う歌で変な癖が付いてると言われてますし、発声の基礎だけでも色々有りまして…。」
「お祭りの歌は録音を聴かせて貰ったけど、あれはあれで良いと思うわよ、村の紹介として動画をアップするのでしょ?」
「はい、あの歌い方を早く忘れないと今練習してる歌の妨げになりますので、動画の撮影は早めに済ませて貰いました、曲数は多くないので。」
「歌の動画で稼げるかどうかは微妙なのね。」
「今回はあくまでも個人的なものですから、近衛の方々は手伝ってくれますが甘え過ぎる訳には行かないのです。」
「そうね、村全体を考えたら部落の家をジョン達が自力で稼いで建て替えることに意義が有るものね。」
「歌や踊りが得意ならYouTubeの視聴数が伸びて楽になるのでしょうが…。」
「そうばかりでもないのよ、日本では歌が下手な子が幼稚な踊りを踊りながら歌っていてもファンがいたりしてね。」
「どう言うことですか?」
「曲はプロが作るから悪く無いし修正する技術が進んでいるからレコーディングしたものを聴いても凄く下手には聴こえないのよ。」
「へ~、人前で歌うことは無いのですか?」
「お客さんの前で歌う時は録音して有ったものを流し、それに合わせて口をパクパクしてれば良いの。
 客も分かってるからろくに歌を聴いて無かったりするみたい。」
「えっ?」
「顔やスタイルを気に入った子が何かをしてれば満足なのよ。」
「そう言うものなのですか。」
「そう言うものなの、そうだジョンも日本語の歌を歌ってみる?」
「えっ?」
「色々試す姿をドキュメンタリー風にアレンジしながら作品を発表して行くの。
 私の妹分である雅なら面白そうだと乗ってくれると思うわ。」
「えっと…、日本語は難しそうですが…。」
「日本語は挨拶だけ覚えれば良いかな、後は上手に歌ってる人の歌に合わせて口を動かす練習と、意味は分からなくて良いから、それらしく歌うのも試してみようか。」

 プリンセス詩織の提案は、正直言ってよく分からなかった。
 それでもプリンセス雅や彼女が集めたスタッフと連絡を取り合う様になり、自分が何をすれば良いかだけは理解しつつ有る。
 ただし練習を始めても、それが収入に結び付くとは思えないままだ。
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