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近衛予備隊-91 [高校生バトル-52]

 村立小学校をどんな形にするかは皆で意見を出し合うことになった。
 建物に関して俺が口を出せることは無いので、敷地を見渡せる丘へ担当者を案内したのが唯一俺に出来たこと、担当者はドローンを使って空から撮影し、その広さを確認した。
 その映像を見た人の中に村の調査をした人がいて、平らな所の多くは畑や家として使われていると思っていたと驚いていたが、その広さに学校だけで無く他の利用方法を考えたいと盛り上がっている。
 この辺りの土地は村を豊かにする為なら自由に使って良いとのお墨付きを大統領から貰っているのだ。
 学校の仕組みそのものも俺達には判断する材料が少なく、近衛にお任せとなる。
 何歳で入学しどう進級させ、卒業や進学をどうすれば良いのかは俺達には全く分からないが、小学校卒業後は中学校に進学するか、十二歳から近衛予備隊に入隊すると言う方向になりそうだ。

「ひとまず私達の役目は予備隊の新兵教育を充実させることかしら?」
「そうね、でもそれは新兵教育を進める中で修正すべき所を修正して行けば、自然と出来上がって行くものではないかしら。」
「ああ、俺達が経験して来たことでも有るからな、それより中学校のスタートの方が問題だろ。」
「そうね、初めて顔を合わせる人達、十名程度とは言え年齢に差が有り、私達よりの年長の人が四名含まれるのだから、少しやりにくいと思うわ。」
「職業訓練が中心になるとしても、ここの社会について正しく理解して貰う必要が有るからな。
 でも、色々考えるのは実際に会ってからで良いと思うよ、前もって考えようにも情報が無さ過ぎるだろ。」
「ジョン、彼らがここへ越して来る日程は決まったの?」
「小学生以上の子は学校の仮設校舎が完成してからになる、少しずつ越して来て貰って問題を探りながら慣れて貰うと聞いたよ。
 指導体制はその状況を見ながら固めて行く方向、教師は近衛隊メンバーがやりながら募集して行くのだけど、住まいが足りないので仮設住宅を建てるそうだ、仮設と言っても俺達の家よりはかなり住み心地が良いそうだけど。」
「そんな話を聞くと私達の部落をもう少しマシな建物に建て替えたくなるわね。」
「ルーシーのお小遣いで何とかならないのか?」
「もう少し昇給したら考えてみても良いけど、今は村長のポケットマネーだけが頼りね。」
「う~ん、真剣に商売を考えてみるか…。」
「学校はどうするの?」
「俺達に出来ることは子ども達が越して来てからだと思う、まだ見ぬ子達を想定して考えるには経験が無さ過ぎると思わないか?」
「それもそうね。」
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