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近衛予備隊-92 [高校生バトル-52]

 俺達が学校に関して考えることを先延ばししたのは正解だったと思う。
 学校関連の会議に出ても近衛隊メンバーの頭の中に有る学校像が見えて来なかったからだ。
 プリンセスに説明して貰って少し理解したが、彼らが描いてる学校は自分達が通っていた学校とは掛け離れた存在としか思えなかった。
 それでも予備隊の新兵に対して行っている英語の対話練習は理に適ってるからと新しい小中学校でも採用されることになり、それがより効率的に進められる様、新兵と一緒に教え方の工夫をしている。
 後のことは子ども達が引っ越して来てからとして、俺達は真面目にお金儲けについて考え始めた。

「新兵の実習として始める商売は新兵達が昇格した時の給料に充てたいよね。」
「ああ、それとは別にと言うことで相談に乗って貰ってる。」
「良い案は有った?」
「微妙だけど、俺達の手で綺麗な家を建てて行く所をYouTubeで公開してみると言う案が出てね。」
「お金が無いのに建て始めるの?」
「うん、少しぐらいなら出せるし、自分達の手で工事をするのなら始めることは出来る、建設資金を稼ぐ所も映像で公開して行くからそれなりの本数は上げられるだろう、やるなら撮影は格安で請け負ってくれるそうだからな。
 稼げなかったら建設が中断となるだけで無理は無い、視聴数が伸びて収益が増えたら大工を雇うのも有りだ。」
「無理が無いのなら良いけど、大工実習を兼ねて貰うのも有りなの?」
「頼んでみようとは考えているが、基本は俺達の部落に住んでる人だけで始めたい、村の事業として行うのではなく、部落に自分達の家を建てるのだからな。
 ただ、設計は素人にとって難しいから、担当教官とも相談してみるよ。」
「自分達で工事をすると、かなり安くなるのかしら?」
「いや、仮設住宅以上のものにはしたいから材料はまともなものを使いたいし、トイレなどは日本からの輸入になる、安さは目標とせず、掛かった費用も公開して今後家を建てる人の参考にして貰おうと思うんだ。」
「今後家を建てようと思う人が村内にも居れば良いのだけどね。」
「部落によっては会社で働いてる人が数人いる所も有る、一人の給料では難しくても協力して建てようと思う人達が現れてもおかしくないよ。
 うちの部落だって農地改革に成功すれば二軒目や三軒目を建てることだって夢では無いだろ。」
「成功すればね…。」
「成功するさ、複数の作物を栽培することでリスクを分散させるし、採れた作物は遠くへ送るのではなく、希少性のある物はここの店で、その他はまもなく開店するマーケットでの販売を主に考えてるし、マーケットにはチェーン店展開の予定が有るからな。」
「マーケットが成功するかどうかも分からないのよ。」
「それなりに人は住んでるが便利なマーケットが近くに無い所を狙って展開して行くのだから大丈夫だろう、一店舗当たりの利益は小さくても赤字にさえならなければ良い、勿論従業員の待遇を良くした上での話だけどな。」
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