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近衛予備隊-84 [高校生バトル-51]

 大統領はほぼ予定通りに到着、軍隊が警護に当たり人の整理を警察官が行っているのだが、兵士と警官のトラブルを目にした。
 軍部と警察の関係は良好では無いと聞いたことが有るが事実なのかも知れない。
 それでも、歓迎式典は近衛隊の仕切りで滞りなく終わり、大統領はプリンセス詩織との会談へ。
 俺達は数名の近衛と共にプリンセスの後ろに、大統領の後ろには随行して来たお偉いさん達が控える。
 会談では社会問題なども話題に上がったが総じて当たり障りの無い内容に終始した。
 会談を終えると晩餐会までは特に予定は無く、プリンセスと共にくつろぐ。

「詩織、何か当たり障りの無い話ばかりでしたね。」
「ええ、後ろに警察の幹部や軍の幹部がいては迂闊な話をする訳には行かないでしょ。
 でも、お土産の中に手紙を添え、今後は治安の問題などについて電話やメールで直接やりとりしたいとは伝えたの、あまり他人に知られずに読んで貰えたら良いのだけど。」
「会談の目的はそこに有ったのですか?」
「ええ、お土産の中身は人に見せないで欲しいと言う意図が上手く伝わっているかどうかが問題だけど。」
「と、言うことは、今後踏み込んだ話しをして行くと?」
「出来ればね、彼は大統領になってからの実績が少ないでしょ、まあ、取り巻きに問題が有るのだとは思うのだけど。
 その辺りのことを前回の会談の時に少し聞いていて、私と近衛隊で協力出来ることを考えておくとは話しておいたの。」
「考えがまとまったのですね?」
「まあね、ただ、その内容は当分の間近衛隊や友人も含め大統領以外には知られたくないから、御免ね。」
「分かりました、情報が洩れて警察などに知られてはまずいのですね、自分達は今の話、全く聞かなかったことにして、結果を楽しみにすることにします。」
「有難う、晩餐会は疲れそうだから暫くのんびりしましょ。」
「はい。」

 それからは、お茶を飲みながら、普段あまり話すことの無かった俺達の子ども時代のことを聞かれたりしながら過ごした。
 勿論、プリンセスの秘密のことは気になって仕方なかったが一旦忘れようと本気で思っていた。
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