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近衛予備隊-67 [高校生バトル-49]

 昼食の後も二時間程話し込んでいたのでプリンセスとは随分長い時間一緒にいたことになる。
 その後、俺達は直ぐに帰らず宮殿の休憩室でメアリーからスマートフォンの使い方を教えて貰った。

「基本操作はこれぐらいかな、慣れて来たら応用も教えるけど兎に角注意事項は守ってね。
 使い方を誤ると様々なトラブルが待ち構えていると思って、でも使い方を間違えなければとても便利なアイテムだから使いこなして欲しいわ。」
「ですね、有効に使わなければプリンセスに申し訳ないです。」
「ねえ、ジョンは村長になる話、どう考えてるの?」
「自分にとってとても良い話だと思っています、ただ、自分の様な半人前が名誉有る近衛隊の一員となることに皆さんが反感を覚えないか心配で…。」
「なら、この後、皆にプリンセスから言われたことを伝えて、どう思うか単刀直入に聞いてみたらどうかしら?」
「はい、そうします。」
「そろそろ早番の連中が戻って来る時間だからね。」

 隊員の皆さんと話すのは簡単だった、こちらから声を掛けなくとも自分達を見つけると声を掛けてくれたからだ。
 皆さんにプリンセスからの提案を説明すると、一様に喜んでくれ応援するから仲間になる様にと話してくれ、自分の思っていたことが杞憂だったと分かった。
 皆さんとは何故かそのまま盛り上がり、前祝だと飲み物や食べ物が持ち込まれ始めただけでなく、皆で見られる大きな村の地図、何故か俺達の村まで入ったものを持て来てくれる人もいて、村の整備計画を話してくれた。

「当初の案を見直し、基本的にこの村は公園と商業施設娯楽施設だけにし、今有る寮はホテルにしたいと考えているんだ。
 それだけの需要は生み出せそうだからね。」
「寮は隣村にと言うことですか?」
「ああ、隣村には病院を建設したいし道路沿いには飲食店を増やして行きたいね。」
「プリンセスは合併か合併状態にと話されていたのですが、そういった構想が有ったからなのですね。」
「うん、実はジョンに通訳して貰ってキャンプ場や寮の建設予定地を確保した後、別の通訳を頼んで更に話を進めて来たのだけど、ジョンが間に入ってくれた時ほど進展しなくてね。
 合併を前提にこの村の次期村長を考えた時、候補がジョンしか浮かばなかったんだ。
 ジョンの村からここへ働きに来てる人はそれなりにいるのだけどな。」
「そうでしたか…。」

 その時、ルーシーのスマートフォンが鳴った。
 それはプリンセスからでルーシーに明日の診察時間を伝えるものだったが、途中で代わって貰い…。

「詩織、村長の話し、お受けしたいです、よろしくお願いします。」
「決断してくれて嬉しいわ、では明日、ルーシーの時間に合わせてシャルロットと三人で来てくれる?」
「はい、分かりました。」
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