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近衛予備隊-66 [高校生バトル-49]

 とてつもなく良い話なのでその場でも返事出来たが、即答せず近衛隊の人に相談しよう思ったのは、プリンセスの指示とは言え近衛隊メンバーがどう考えているのか分からないからだ。
 自分の様な子どもから大人になりつつ有る、まだ学ばねばならないことが沢山有る半人前が名誉ある近衛隊の一員と成ることに抵抗感を抱く人が居るかも知れない。
 その後…。

「これまで頑張ってくれたお礼にプレゼントが有るのだけど受け取ってくれる?」

 そう言って三人に渡されたのは小さな包み。
 開ける様に言われ、包みを開くとスマートフォンが出て来た。
 商品として見ていたので知ってはいたが、高価なもので使えるエリアはまだ狭い。

「駅までの道路沿いで使える様にしたから、あなた方の部落でも大丈夫、私の電話番号とメールアドレスは登録済だからね。
 ルーシー達のカラーは二人の双子コーデに合わせて貰ったのよ。」
「こんな高価なもの、頂いてもよろしいのですか?」
「ええ、高価かも知れないけど、私にとっては安いものだから気にしないで、今まで色々なことをして来たからお金は有るの、でも考えてみて、人が生きて行くのに贅沢しても必要な金額は限られるでしょ、必要以上に頂いてるお金は色々な形で使って行かないと経済が回らないのよ。
 こうしてプレゼントすれば店の利益となりメーカーの利益になるでしょ。
 ただ基本的な料金はこちらで負担するけど、一定時間を超えた通話料は給料から引かれるから気をつけてね。
 詳しくは後でメアリーから聞いてくれるかな。」
「はい、有難うございます大切に使わせて頂きます。」

 そこからは雑談レベルの話が続いたのだが…。

「ねえ、ルーシーの足はどんな感じなの?」
「生まれた時から悪くてお医者さんに診て貰ったことも有るのですが治らないと言われたそうです。
 成長の過程で痛むことが有り、その度に治療費の掛かる困った子でした。」
「治療って駅の有る町の診療所?」
「はい、近くにはあそこしか有りませんので。」
「あそこはね…、少し調べたのだけど怪しいのよ、明日もう一度ここへ来られない?」
 ルーシーはエミリーを見た。
「大丈夫よ。」
「ここの診察室に予約を入れておくから午前中にいらしゃい、一度きちんと診て貰いましょう。」

 プリンセスによると、この国の医療制度はかなりいい加減で医学の知識に乏しい人が医者を名乗ってることも有るそうだ。
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