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近衛予備隊-63 [高校生バトル-49]

 プリンセス詩織の宮殿は近代的な建物、プリンセスがこの地を離れた後は、その記念館とグッズを扱う店、そして近衛隊が宿泊している部屋はホテルとなる。
 外からは見ていたが中に入るのは初めて。
 行くまでは入るのに戸惑うかと思っていたのだが、正面玄関に立っていたのは昨日紹介して貰った人で何の問題も無かった。
 リハーサルの為、早めに到着することも伝わっていて、直ぐ小ホールに通される。
 準備は終わっていて、お茶を出して貰う。
 一息ついた所で、担当の方々とメアリーにリハーサルを見て頂く。
 暖かい目で見られているので話し易く、一回で合格点を頂いた。
 
「ホントに何でも卒なくこなして可愛気のない子達だわ、今日の本番ぐらいは可愛らしい所を見せて欲しいものね。」
「メアリー、歓迎式典では言われてた凛々しくが出来なかったのですよ。」
「あれで?
 充分凛々しかったわよ、またファンが増えたでしょ?」
「どうですかね…。」

 そこへエミリーが入って来てプリンセスの準備が出来たから謁見の間へと言われた。
 謁見の間へ通される来客も俺達が初めてだそうで何か嬉しい。
 エミリーの後をついて行くと衛兵が趣のある扉を開けてくれた。
 中は少し薄暗かったが、奥の椅子に絶世の美女が座ってることを認識するまで時間は掛からなかった。
 俺は神秘的な光を放つ女神さまを前にどうすれば良いのか分からなくなり、数秒間突っ立ったままに。
 打ち合わせでは三人揃って敬礼をする予定だったのだが、俺は跪くことにした。
 それしか思い浮かばなかったのだ。
 シャルロット達も俺に倣う。
 女神さまは神妙な顔で静かに…。
「よく来て下さいました、この宮殿は如何です?」
 俺に向けられた言葉で俺が返事をしなくてはならないと認識したのだが…。
「は、はい…、え~っと、す、素敵なたたたた建物で…。」
「そんなに緊張しなくて良いのですよ。」
「そ、そう言われましても…。」
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