SSブログ

近衛予備隊-58 [高校生バトル-48]

 思わぬ展開となり、気付けば十人ほどの人が集まっていた。
 結局ノートパソコン四台が立ち上がり、三台で俺達がまとめたものを見て貰い、一台を使って俺は話しながらメモを取っていた。

「良くまとめられてるね、君の村に対する思いが伝わって来るよ。
 これならプレゼンテーションはシンプルで良いかもな。」
「でも、隊長がパソコンを使いこなせてる所はプリンセスにも見て頂いた方が良くない?」
「そうだな、村の現状を示す写真や動画をモニターに映し出すか?」
「ねえ、隊長、村の現状を示す動画って色々有るの?」
「十五分程度のが二本だけです。」
「そっか、プリンセスがすでにご覧になられてる映像だけなのね。」
「図表に表すようなデータはどう?」
「動画を撮影する時に今の記録として何かないかと村長に訊ねたのですが、全くないそうです、本当に無いのかどうかは分かりません。」
「多分本当に無いのだと思うよ、ここの予備調査に入った隊員と話したことが有るのだけど、この辺りでは記録を残す習慣が無いそうで、植民地時代の遺物のようなものしか出て来なかったとか。」
「植民地時代の方が暮らし向きが良かったそうです、クオーターが多いのもその時代の名残だとか。」
「なるほど、ハーフやクオーター、隊長は良いとこどりの見本なのだな。
 図表が使えないのなら写真と言葉だけになるが、まあ、シンプルで初々しい方がプリンセスにとっては新鮮だろう、問題無いと思うよ。」
「確かにそうね。」

 それから具体的な話を交えながらプレゼンテーションのポイントを教えて貰った。
 随分長時間、近衛隊の皆さんは俺に付き合ってくれて、感謝の気持ちしかない。
 送って行くから最終バスの時間を気にする必要は無いと言ってくれ、実際に帰りはわざわざ車で送ってくれた、何のついでもないのに。
 
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。