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近衛予備隊-49 [高校生バトル-47]

「あなたは後輩の事、考えてないの?」
「前倒しして入隊して来た後輩はジョンのファンばかりなのですよ。」
「メアリーから聞いたわ、でも彼女たちはジョンの第三夫人の座を狙ってる訳では無いのでしょ?」
「だと思いますが…。」
「あなた達の頑張りのお蔭で第三部隊には余裕が出来、予備隊運営チームとしては対象年齢を下げての入隊を当初予定より早めて行くことになりそうで、学校との調整を進めているのよ。」
「やはり希望者全員を受け入れて行くのですか?」
「その辺りの調整をしてるのだけど、元々ここの学校は公立では無く慈善団体が運営してるでしょ。
 だから予備隊が生徒の一部を引き受ける事に協力的でね。」
「今の私達レベルを指導出来る先生はいないから優秀な子は予備隊へ、団体本部との兼ね合いが有るから、そうで無い子は自分達の手で農業実習などを経て極力ここで働ける様に、それぐらいの指導なら先生達でも出来るとか、そんなことを考えているのではないのかしら。」
「ルーシーは、そこまで読めてるのね。
 教官達は先生の教育も考えていて、まずは子どものレベルに応じた役割分担をすることになりそうなの、でも予備隊へ入らない子達もあなた達の後輩でしょ。」
「勿論ですよ、シャルロットがおしめを替えてた子もいますからね。」
「先輩が後輩の面倒を見るのは集団の理想なのだけど、あなた達は第三部隊のスタートメンバーだから、先輩としては少し頼りない第一部隊や第二部隊しかいなかったし、ジョンは年齢的にも先輩に当たる彼らに助言をしてたのでしょ。」
「どうしてそれを?」
「私は第一部隊の担当者とも連絡を取り合っているのよ、でも、ジョンに関する話はあまり信じて無かったのが事実でね。」
「どうしてです?」
「貧乏な村の状況は教えて貰ってたし、似た様な環境の村を見て来たから、そんな村の子が…、正直、今でもあなた達が店に大きく貢献して来たことは信じられないのだけど、何か秘密が有るの?」
「私達は同じ集落の出身なのですが、集落から町へ出た人の中に教育の重要性を感じた人がいまして。
 その彼は無理をしてでも私達の為に本を送ってくれ、その気持ちに応えたいと思ったのが、ここにいるメンバーなのです、それでも予備隊に入隊するまでは限界が有りました。」
「その限界を突き破ってくれたのがメアリーで有り、教官やマネージャーを始めとするここのメインスタッフの皆さんなのです。」
「そっか、私はみんなが後輩のことを思って行動してくれたら、その彼らの想いに応えることにもなると思うのだけど、どう?」
「集団としての成長を考えるべきだと、マネージャーに言われています。
 自分達の村は、何の成長もないまま長い年月を送って来ましたので、自分が学び、それを後輩に伝えて行くことで変えて行きたいですね。」
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