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近衛予備隊-48 [高校生バトル-47]

 午後からは予備隊の幹部を中心としたグループメンバーが集められた。
 因みに隊員たちは大きく三つに分けられ、学習よりも実習中心に経験値を高め、仕事ぶりを認められ本人が希望したら、そのままその現場で正式雇用される者たち、近い内に正式雇用される前提でスキルアップを目指しながら学習と店内作業を両立させて行くグループ、そして俺達幹部中心のメンバーは自分達にとって高度な学習をして行くことになっている。
 これまで教官達と話し合い、それぞれがどこにどんな形で所属して行くのか考えて分けられた。
 実習組は各現場責任者、両立組は教官が中心になって指導、そして俺達はこれからの二か月間、近衛隊に身を委ねることになっている。

 まずはパソコン操作の試験が行われた。
 内容は簡単過ぎたがエミリーは…。

「へ~、入力も早いわね、入隊後に初めてパソコンに触れた人ばかりなのでしょ、英語をさぼってて、少し遅れて始めた人もいると聞いてたけど。」
「始めは英語の得意なメンバーだけが使わせて貰ってたのですが、パソコンを使ってみたくて英語を頑張った奴がいたのです。」
「ジョン、どんな練習をしたのか教えてくれる?」
「基本は助け合いながら競い合う、先にコツを掴んだ人が教えて、競い合いながら練習。
 自分達には英語学習と言う大きなテーマが有りますから、一人が英文を読み上げそれを誰が一番正確に入力出来るかと言う勝負をして来ました。」
「成程。」
「始めの内はゆっくり読み上げて貰っても全然ダメだったのですが、勝負の勝ち負けが面白くなって必死に練習したのです。
 少し慣れた頃からは、読み上げて貰う文章に、綴りを間違える人の多かった単語を意識的に使うとか、店のオープンを意識して、お客さんとの想定対話文を取り入れたり、最近は早口言葉レベルのスピードに挑戦したりと楽しんでいます。」
「ついキーボードを見てしまったりとかなかったの?」
「勝負の時は布を掛けてキーボードが見えない状態、パソコンの台数に限りが有りますから監視役も充分にいまして、その監視役もただ見てるだけでは自分が勝負する時に勝てませんので、綴りの確認をしながらの監視です。」
「そっか、次からは試験するにしても、入力して貰う英文の内容をもっと真面目に考える事にするわ。
 こんなレベルの文じゃあ、あなた達に失礼だったわね。」
「いえそんな事は、それで…、全員合格ですよね?」
「勿論よ。」
「やった~!」
「でも、エミリー、十四人全員に一台ずつとなると、それなりの費用が掛かると思うのですが大丈夫なのですか?」
「あなた達が使うので有れば安いものよ、今使ってるのは後輩達に譲らなければならないでしょ。」
「後輩か…。」
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