SSブログ

近衛予備隊-45 [高校生バトル-47]

「プリンセスはとても綺麗だったよね、シャルロット、花束を渡す時どうだった?」
「にっこり微笑んで下さって、なんだろ、もっと緊張してておかしくない筈なのに嬉しくてね。」
「わかる~、車から降りられた時に私と目が合って微笑んで下さったのよ。
 もう、緊張が吹き飛ぶぐらいに嬉しく、気持ちが乗っかって、ねえ、ジョン、今日のパフォーマンスは最高の出来だったと思わない?」
「はは、もしかして全員がプリンセスと目が合って微笑んで貰えたと思ってるとか?」
「だよな、俺だけに微笑んで下さる訳がない…。」
「俺はメアリーから言われてた、凛々しく、とは出来なかったけど皆は最高に良かったと思うよ。」
「ジョンが余裕の表情だったからリラックスして出来たのだと思うわ、何時も以上にカッコ良かったし。」

 役目を終えてみんな興奮気味だった、店は歓迎式典の後、普段より時間を遅らせて開店していたが、俺達は午後少し遅めからのシフトになっているので余韻に浸る時間は充分有る。

「みんなお疲れ様、上出来過ぎて可愛げが無くなりそうな所を笑顔でカバー出来ていて良かったわよ、プリンセスもとても喜んでいらしてね。」
「メアリーはプリンセスと話されたのですか?」
「ええ、滞在される宮殿まで送って行く間に少しだけね。
 あなた達のパフォーマンスからみんなの仲の良さが凄く伝わって来たと話されていたわ。」
「仲の良さね…、そう言えば弱い者いじめをしてた男子も少し変わって来たかしら…。」
「何時までも子どもじゃないさ、ジョンにたしなめられもしたからな。」
「今日は特別だったからか仲間だって凄く感じて、みんなと沢山目が合った気がする。」
「俺に惚れたか?」
「ふふ、もう一息かしら、ジョンにシャルロットがいなかったら問題外だったけど。
 メアリー、ジョンのスピーチも心がこもってて良かったよね?」
「ええ、口先だけの言葉でなく…、ジョンが本番に強いタイプとは知らなかったわ。」
「う~ん、それもプリンセスの力かな、観客たちも皆笑顔で。
 明日から近衛隊の皆さんと行動することになるけど何の不安もなくなったな。」
「ジョンは英語を褒められることが多いから問題ないだろ。」
「いや、褒められると言うことは、俺がまだ練習中なのだと相手が感じてる証拠、英語を褒められている内はまだまだなんだ。」
「そうね、みんな店で使う日常英会話は上達してるけど、明日からは環境が変わるからね。」

 環境が変わるのはプリンセスと共に到着した近衛隊の本隊が、この村全体を見直し、全体をワンランク上げる作業が始まるからだ。
 今まで俺達が担って来た作業は大人達に移管して行き、俺達は学習や実習の時間が増えるが、サブフロアーマネージャーと言った役職は変わらず給料が下がることはない。
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。