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近衛予備隊-43 [高校生バトル-47]

 プリンセス歓迎式典の朝、俺達は落ち着かない時間を過ごしている。
 昨夜、予備隊の幹部は遅れていた飾りつけ作業を手伝い、そのまま店の仮眠施設で宿泊し朝を向かえたのだが、朝食を済ませ、隊の制服に着替えてからは食堂で待機している様に指示されていて自由に動き回れない。
 隊員達は何時になく早めに揃い遅刻者の心配をすることもなく、プリンセスはホテルを予定通りに出発し到着予定時刻に変更は無いなどの情報は流れて来るものの兎に角落ち着かなかった、それでも映像が入って…。

「おっ、パレード開始地点の映像に切り替わったな。」
「人が多そう…、人の整理も国軍が担当なのね。」
「この映像が流されているのは国内だけではないからな、国軍としては、その存在をアピールしたいのだろう。」
「でも、近衛隊と比べたら軍服がダサいのよね。」
「だな、一応会社として軍服のサンプルを作って営業に行ったらしいけど予算が無さそうで、契約出来ても儀仗兵用の百着程度が限界だとか。」
「儀仗兵用なら一着当たりの単価は高く利益率も高めに設定出来るだろうが、色々な要求をされて実質的な利益は期待出来ないのじゃないか。」
「ああ、でも、それを足掛かりにして装備品を売り込んで行けたらと担当者は話してた、まあ、金の流れを見極めた後、総合的に判断して割が合わない様なら撤退するそうだ。」
「金の流れね、軍ではある所まで昇進するといきなり生活が良くなると聞いたわ。」
「軍人としての資質より金儲けの才能が昇進に関係してそうだ、まあ、戦争の予定は無いのだからそれでも問題無いのかな。」
「俺の従兄は給料の安さに嫌気が差して除隊したが、ジョンなら軍隊でも幹部クラスに成れるのではないか?」
「いやいや、軍からは良からぬ話しか伝わって来ないだろ、こことは雲泥の差だよ。」
「国軍なんかに入ったらだめ、折角ここで経済を学んでいるのだから、それをここで活かして欲しいわ、シャルロットもそう思ってるのでしょ?」
「ええ、私達の村を良くして行くのにはジョンの力が必要なの。」
「村の改革か、最初にメアリーから言われた時はピンと来なかったけど、自分達の村が誇れる所の何もない村だと知ってしまったからな、ジョンが村長に成ればと思うよ。」
「おいおい、この後のことを考えたら落ち着かないし、パレードが開始されたら俺達の出番まで一時間だろ、ただでさえ緊張してる所へ変なプレッシャーを掛けないでくれよ。」
「はは、ジョンが何時になく緊張してるみたいだから敢えてさ、プリンセス歓迎儀式の三十分間と村長としての人生を頑張ってくれよ。」
「あのな~。」
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