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近衛予備隊-42 [高校生バトル-47]

 プリンセス詩織来訪の前日、店は当初の予定通り休みとなりプリンセス歓迎イベントに向けての準備を行っているが、予備隊はメアリー総指揮の下、歓迎儀式の最終確認。
 総指揮はメアリーだが、俺はトップとなって号令を掛け、プリンセスを歓迎する言葉を述べと一番目立つ立場、否が応でも緊張感は高まって来る。
 一通りのリハーサルを終えメアリーからオーケーが出た後、皆が着替えて食堂に集まったのはプリンセス詩織が空港に到着する映像を見る為だ。

「あの飛行機に乗ってらっしゃるのね。」
「プリンセスって超美人で姉ちゃんと同い年とは思えないんだよな~。」
「そうね、やっぱ女神様なのかしら。」
「でも両親は普通の人間なのだろ。」
「お父さまも遠江王家の一員だけど国王とは全く血縁関係が無い、そこからして不思議な存在よね、メアリー。」
「そうね、遠江王国そのものが…、謎に包まれてる訳では無いのだけど世界の常識が通用しなくて、血筋なんてリーダーとしての資質に関係ないと言い切ってる、かつての王国では王家の血統を守る為に命がけで戦っていた人達がいたのだけど。」
「戦いもだけど、その為に第二夫人とか第三夫人がいたのでしょ。」
「ええ、一人では心許なかったのでしょうね。
 この国ではどうだったの?」
「部族間の争いが有ったそうだけど、俺達の感覚からしたら族長なんて村長みたいなものさ、あっさり植民地になったからな。」
「植民地になったから町が発展したとは聞いてるけど私達には関係ない事、でも、村の大人達もそう考えて来たから、私達の村は色々と遅れてしまったのよね。
 ねえ、メアリー、どうしてこの村が選ばれたの?」
「そうね、貧乏な村で鉄道の駅からバスでそんなに時間が掛からない…、道路工事が完了したら駅からここまで、バスでの時間は三十分ぐらいに短縮されるのよ。
 それと、人口が少なく畑も少なかったから、全部を作り直すのに丁度良かったの。
 その隣村に素敵な子ども達が住んでることは当初分かって無くてラッキーな想定外だったけどね。」
「はは。」
「あっ、タラップに近衛の人が出て来たわ。」
「ならばすぐにプリンセスのお出ましよ、彼女はもったぶるのが嫌いでね、このシーンを見ている人の存在をご存じの筈だから。」
「おお~。」

 飛行機から降りたプリンセスは、近衛に守られながら、国軍の長に迎えられる。
 当初の予定では、護衛の部隊長が迎えることになっていたがプリンセスの奇跡を見た軍幹部が予定を変更し、国軍のアピールを考えたのだとメアリーが教えてくれた。
 プリンセスはこのまま空港近くのホテルで宿泊、明日の早朝に出発しこの村へ、朝のうちに歓迎式典を始めるという予定だ。
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