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近衛予備隊-40 [高校生バトル-46]

 プリンセスの来訪を前にして従業員全員に百ドルのボーナスが出た。

「ジョン、一人百ドルって私達にとって大きな金額、全員だと相当な額よね、それだけ出せる利益がオープンから十日程で出たってことなの?」
「売上額はシャルロットも確認してるだろ、そこから諸々の経費を差し引いても、店のオープン記念とプリンセスが来て下さるお祝いとして無理なく出せる金額なんだ。
 まあ、今回のボーナスはプリペイドカードへの入金だから、いずれ全額店の売り上げになるのだけどな。」
「そっか、ここだけで回るお金か…、プリペイドカードは他の系列店でも使えると言っても、この国では他に店が無いものね。
 始めの内は良く分からなかったけど、少しずつ仕組みが分かって来たわ。」
「シャルロットは俺達の写真が売れてるの知ってた?」
「そうなの、全然気にしてなかった。」
「近衛予備隊のパフォーマンスを見たくてリピーターになってくれてる人もいるんだよ、まあ、バスの乗車賃程度でしか売り上げに貢献していない人もいるそうだけど、それでもお客さんだからな。
 そんな人達を中心に売れてる写真にサインをお願いされる事が増えているんだ。」
「ジョンのファン?」
「みたいだな、シャルロットはそんなことないのか?」
「う~ん、ジョンみたいに動き回っていないし、ジョンの婚約者だとYouTubeで話してるからか無いわね、男女で感覚に違いが有るのかしら。」
「シャルロットが写ってる写真も沢山売れてるのだけどな。
 売上額は入荷量が少ないままのプリンセス関連のグッズにさえ遠く及ばないが、それでも売り上げは俺達のボーナスに直結するだろ、全隊員で均等に分けても一人十ドル分ぐらいにはなりそうな勢いなんだ。」
「その額が多いのか少ないのか分からないのだけど。」
「大した取り柄も無い俺達の写真が…、十ドル掛ける隊員数で出て来る額は写真の売り上げの十%だからな、そう考えたら俺達の写真が如何に売れてるのか分かるだろ。」
「え~っと…、そんなに売れてるの!
 信じられないわ。」
「担当してくれてる隊員は俺達の写真が特に売れてるから、ボーナスは均等でなく俺達には多めにと言ってくれたが、シャルロットはどう思う?」
「均等で良いわよ、私達は他で色々優遇されてるのだから。」
「だよな。
 それと俺達へのボーナスは他にも出そうなんだ。」
「何かのご褒美?」
「従業員の寮を俺達の村に建設する話が有ったろ。」
「何年後かにでしょ?」
「それを年内着工に早める案が出てね、決まれば上下水道などのインフラ整備が進められ、俺達がシャワーやトイレを設置する時の費用をかなり抑えられることになるみたいなんだ。」
「へ~、でもどうして?」
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