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近衛予備隊-37 [高校生バトル-46]

 結局の所、彼は人手を欲しがっていた部署に引き取られ、汗を流しながら働くこととなった。
 予備隊からは除籍となったが、真面目に働けば昇給も有ると言われ警察への引き渡しも保留となり断る理由は何もなかったそうだ。
 それはオープンしたら予想以上の客足だったことにもよる。
 オープン初日…。

「ジョン、宣伝はYouTubeだけ、それでこれだけの来客数とは想定外だな、どう言うことなんだ?」
「それを自分に言われましても…。
 それでも、客はYouTubeを見た人ばかりで会計システムを理解した上での来店、予想していたプリペイドカードがらみのトラブルは少なくて良かったです。」
「従業員が慣れるまでは宣伝を控える方針で、のんびりしたスタートになると思っていたのだがな。」
「プリンセス詩織の動画が切っ掛けでしょうか?」
「新しい動画が公開されたのか?」
「ええ、ご覧になってないのです?
 食堂ではエンドレスで流されていますよ。」
「ならば遅くなった昼食ついでに見てみようか。」
「はい、報告としては、プリセス関連のグッズが特に売れてます。
 追加発注を早めに掛ける様に指示を出したところ、担当者が数をどうするか悩んでいましたので本部と相談する様に指示して置きました。
 既に売り切れてるアイテムも有りまして。」
「午前から凄い売り上げだったからな、私も本部と連絡を取っておくよ。」

 フロアマネージャーとは一旦別れざっと売り場を回ってから食堂で落ち合うことに。
 店は応援の人達が手際よく捌いてくれているので、混雑していても何とか回っていた。

「従業員たちは昼食を済ませたのかな?」
「はい、各部署のリーダーに確認を取りました、この後の休憩も予定通りに入れる様、念押ししておきました。」
「うん、混雑が今日だけなら少々無理しても良いが続きそうだからな。
 おっ、大モニターはプリンセス詩織か…。
 小鳥が挨拶に来てるのはCGか…、いや本物だよな…。
 あっ、終了なのか、チーフ?」
「いえ、マネージャー、新たな動画がアップされましたのでそちらに切り替えます。」
「チーフ、この小鳥達は本物だよな?」
「ええ、今からの映像を撮影し始めたら餌付けした訳でも無いのに集まって来たそうです。
 奇跡的な映像ですよ。」

 切り替えられた映像のプリンセスは衣装も違い更に神々しく優しい笑みで小鳥達と戯れていた。
 暫く俺達は食事も忘れ、無言で画面を見つめるばかり。
 
「ジョン、本部に問い合わせたら、プリンセス詩織関連のグッズは扱ってる全ての店舗から追加発注が大量に来ていて希望通りの数は無理だと言われてね、これを見て納得したよ。
 製造計画を前倒しして対応するそうだが、品切れ情報は早めに出した方が良さそうだな。」
「はい、入荷予定に関する情報は何時頃出るのでしょう?」
「本部にとっても想定外だから、まずは入荷予定未定として告知するしかないだろう、早めに告知しておかないと店頭でごねる客が出かねないぞ。」
「分かりました、直ぐに指示を出します。」
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