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近衛予備隊-35 [高校生バトル-46]

 目新しい事ばかりで店のオープンまでの日々はあっという間に過ぎた。
 フロアマネージャーに言わせるとのんびりした作業だそうだが、慣れない俺にとっては指示を出すことに緊張したり…、応援に来ているお姉さま方に誘惑されたり新たに加わった女子隊員になつかれたりと余計な面倒事も有ったが、忙しくも充実した日々だったことは間違いない。
 予定されてた商品の中には届いて無い物も有ったが、店は翌日のオープンを待つばかりになっていた…。

「ジョン、君がルールを守る意識が弱いと話してた隊員の一人が、警備体制チェックに一役買ってくれたよ。」
「何かやらかしたのですか?」
「店の商品を盗み出そうとして、警備員に捕まったんだ。」
「ハイテク監視カメラが機能したのですね。」
「ああ、監視体制の話は彼に伝わってなかったのかな?」
「本能のままに動く連中に言葉は伝わりませんよ。
 まあ、そいつを見せしめにすれば他の連中は大人しくなるでしょう、盗みなどの犯罪を犯した場合の処遇は提示して有るのですから、その通りにします。」
「それで構わないが、彼を追い詰め過ぎることの無い様に出来るか?」
「隊員の心得として必要以上に時間を掛けて説明したのですから、隊からの除名後、警察への引き渡しまで、規定通りに進めます。」
「その後犯罪組織の一員になる可能性は無いのかな?」
「どうですかね、自分が要注意グループとして伝えた連中は弱い者いじめをしていた連中で、予備隊の活動を通してまともになって欲しいとは思っていたのですが、元々犯罪に走る可能性は高かったので。」
「プリンセス詩織は犯罪に走る輩を減らしたいと考えておられるのだが、ジョンはどう思う?」
「う~ん、そんな奴らも、それぞれの担当を真面目にこなし始めていて…、捕まった奴はそいつらをも裏切ったと思うのです。
 一罰百戒と考えているのですが…、マネージャーは反省するならチャンスを与えると言う考えなのですか?」
「甘くし過ぎると規律が乱れてしまうから慎重に事を運ぶ必要は有る、その辺りのバランスを考えた上で…、ここを追い出すのは簡単だが、そうした場合、彼が今後辿りそうな道筋は社会にとって良いものになるとは思えない、ここで反省してくれると良いのだが。」
「そうですね…、一度話しをしてみて…、そいつは今、何処にいるのです?」
「店で捉えた犯罪者を一時的に監禁して置く部屋の居心地を試して貰ってるよ。
「そんな部屋も有ったのですね。」
「窃盗犯の確保は想定内のことだからな。」
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