SSブログ

近衛予備隊-25 [高校生バトル-45]

「巨額の投資をしているから、色々な事情が有るのですね。」
「ええ、そんな事もシャルロットはジョンから教えて貰ってるの?」
「はい、ジョンが入隊してから予備隊の話をして貰うのが楽しくて、でも借入金の額が半端なく多いので…。」
「心配?」
「思う様に来客数が増えず売り上げが伸びなかったら、返済が重荷になるのですよね?」
「確かにそうね、でも、そこには一つのからくりが有ってね。
 えっと…、お金持ちの国が貧乏な国にお金を貸してあげるから大きなダムを作りませんか、港湾整備しませんかと持ち掛けることが有るのは知ってる?」
「知りませんでしたが、借金するだけのメリットが有るのですね。」
「メリットが有ると考え貧乏な国は借金をするのだけど、お金持ちの国はそれで利益を上げるの。」
「利息ですか?」
「それよりも、ダム建設や港湾整備をお金持ち国の大企業が請け負うメリットが大きくてね、貧乏な国には大規模な工事を行える企業がないから、つまり…。」
「お金持ちな国が貧乏な国に貸したお金は、お金持ち国の大企業の売り上げになる、と言うことですか?」
「ええ、結局貧乏な国の借金が増えて、お金持ち国が儲かるって仕組みなの。」
「なんかな、私達の国が如何に遅れているのか分かって来たから…。」
「それと似たことをプリンセス詩織はしてるの、但し貧乏な国の為に借金をして開発を進め、利益はその国の為にって方針でね。」
「プリンセスの利益にはなら無いのですか?」
「そうね、プリンセス自身は今の収入で充分過ぎると考えているから、まあ、会社としては借金してでも投資して行くメリットがあるの。」
「借りたお金を返せなかった人が恐ろしい目に遭って早死にした話は親から聞かされています…。」
「ふふ、あなた達は借金するべきではないわね。
 隣村の大規模工事は確かに多額の借入金を利用して行われているのだけど、その工事をしてるのは株式会社SHIORIの子会社が中心になってるの、当然その会社の売り上げは伸びてるし雇用も増えてる。
 私達には長期計画が有るから子会社は短期間で仕事がなくなることは無く、安定した受注が見込め、安定した雇用の場なの。
 工事だけでなく、新しい店で売る商品は全て株式会社SHIORIの関連企業で製造した物か、関連する販売会社を通した物だけになるから、その売り上げは多くのグループ企業を潤すことにもなるのよ。
 そう考えると、一見巨額に見える借入金も大したことなくて、実際、返済能力が認められているから銀行が融資した訳でね。
 お金持ち国がしているお金儲けと似てるけど、利益はこの国に再投資して行く方針だから、全く違うのよ。
 店の利益を活用してこのエリアの生活水準を高める、それが一つの大きな目標だからね。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。