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近衛予備隊-20 [高校生バトル-44]

 撮影は新人研修の関係で遅れるシャルロット以外の副隊長と小隊長と呼ばれる様になった各チームのリーダーが揃った所で始まった。
 ただ、カメラマンはぎこちない笑顔を何とか自然なものにしようと俺達の緊張感をほぐそうとしてくれるのだが、全員が写真を写して貰うこと自体に慣れてないので難しい。
 それでも何とか一通り撮り終えた所へ、シャルロットが入って来た。
 彼女の副隊長服姿は初お披露目、髪型は何時もと違う。

「わ~お、素敵よシャルロット、私のお嫁さんにしてあげる!」
「おいおいおい、隊服が似合い過ぎだろ。」
「髪型も変えたのね、可愛いと言うより恰好良い、改めて美人なのだと思い知らされたと言うか…。」
「ほら、ジョンの隣に立ってみなよ。」
「腕を組んでみて、う~ん、ちょっと微笑んでみて。」

 みんなからはさっきまでの緊張感が消えたが、俺は普段以上に美しく輝いてるシャルロットと腕を組まされ別の緊張が…。
 ふと、気付くとカメラマンはシャッターを押しまくり、動画担当もカメラを構えていて、前もって自然な様子を撮影したいと言われていたことを思い出す。

「シャルロット、とても似合っていて綺麗だよ。」
「有難うジョン、ジョンも隊長服が似合ってて素敵よ。」
「おいおい、気持ちは分かるが俺の前でいちゃつくんじゃねえ。
 しかし、隊服を着るだけでも違って見えるのにきちんとセットして貰うとこんなにも変わるものだな。」
「あら、あなたもそれなりにして貰ったのに、それ程でもないわよ。」
「余計なお世話だ。」
「俺達、初めてだよな、こんな恰好良い制服を着させて貰うの。」
「よね、可愛いシャルロットだって普段着は姉や親戚のお下がりばかりでしょ。」
「お祭りの時もだよ、可愛いからあまり意識していなかったけど、着る物って…、服でイメージが随分変わり少し口紅を引いて髪型を変えて貰っただけでこんなにも大人びた感じになって…。
 スタッフの皆さん俺の彼女はどうです?」
「良いよ、うん、実に良い、入って来ただけで場を明るくするだけの華が有る、このまま撮影を続けるが、まずは隊長とのツーショットから行こうか。」

 シャルロットが撮影に加わってからは、全体の雰囲気が良くなり、シャルロットも皆に乗せられてか、緊張することなく撮影をこなしていた。
 予備隊の紹介動画を含めた撮影は予定より一時間程長引いたが無事に済んだ。
 撮影後に聞いたところでは、シャルロットが来るまでの写真は全部ボツだそうで、カメラマンが必死に頑張ってもどうにもならなかったのがシャルロットの登場によって変わったのを見て、彼女が皆に愛されていると感じたそうだ。
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