SSブログ

近衛予備隊-19 [高校生バトル-44]

 俺達は教官達から多くのことを学んだと実感している。
 それは学校の教師たちによる、大人になって役に立つのかどうか良く分からない、面白くもない授業内容では無く、直ぐに必要となりそうで興味深い知識が中心で有り、社会人として本当に必要なこと以外、興味のないことは学ばなくて良いと言う姿勢によるところだと思う。
 興味のない内容では学習意欲は高まらない、無理やり学習させられるぐらいなら農作業を学んで美味しいものを食べられた方が余程良い。
 実際、隣村で農業実習している連中は、豚や牛の世話を始めていて、俺達に美味しい肉を食わせてやると話している、実際の作業は大変だそうだが大人達から労働力として認められることが彼らの自信に繋がっている様だ。
 彼らを含め、入隊した頃は大人と子どもの狭間だった俺達は着実に大人となりつつ有り、俺は店の手伝いやパフォーマンスで彼らにお返ししたいと思う。
 なんてことを考えていたのは、詩織近衛予備隊の写真撮影の為に髪をセットして貰っていて暇だったからで、それが終わり…。

「わお、隊長カッコ良いです~。」
「はは、君も小隊長の制服が似合ってるよ、何時も以上に綺麗に見えるのは俺の気のせいかな?」
「ふふ、お祭りの時のメイクとは全く違うでしょ、プリセンス詩織の歓迎式典に出ても恥ずかしくないよね。」
「ああ、勿論だとも。」
「う~ん…、隊長が新人の女子隊員に人気なのもそんなセリフが普通に出て来るからか、こいつなんか何時もよりはマシとか言ってスルーされてたものな。」
「ジョンは小さい頃から紳士的だったけど、やはりフランス人の血とかが混じってるからなのかしら?」
「植民地時代を経てハーフやクオーターは少なくないのだから…、やはり親の教育が大きいのかな。
 ひい婆さんが僅かな期間しか一緒に居なかったと言うひい爺さんの話を伝え聞かされた母さんは、姿だけでなく心根が恰好良かったそうだと、俺が小さい頃から一枚だけ残るひい爺さんの白黒写真を見せながら、ひい爺さんの様になりなさいと良く口にしてて。」
「そうなのよね、私も写真を見せて貰ったけど、ジョンは兄弟の中で一番似ていて、ふふ、少し生意気だけどルックスは一番だって、ジョンのお母さんは話してたわ。」
「え~、そんなこと言ってたのは知らなかった。」
「子ども達の中の一人だけを特別扱いしてはダメだから、お母さんも恰好良い人を目指してるのだと感じたわよ。」
「みんなの前で親の話はやめてくれよルーシー。」
nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 13

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。